この記事のポイント
- 【フラット35】借換融資は全期間固定金利で、保証料と繰上返済手数料は不要
- 金利は申込時ではなく資金受取時に決まり、毎月見直される
- 2,000万円・25年なら1.9%と2.0%で月970円、総額291,110円の差になる
- 諸費用70万円を借入れに含めると、現金で払う場合より総額は179,900円多くなる
フラット35借換融資の主な特徴
【フラット35】借換融資は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利の住宅ローンを、借り換えに使うものです。住宅金融支援機構のご利用条件によると、主な特徴は次のとおりです。
- 金利:全期間固定金利。借入期間や加入する団信の種類などによって金利が異なり、取扱金融機関によっても異なる。
- 金利の決まる時期:申込時ではなく資金受取時の金利。金利は毎月見直される。
- 融資率:借換融資では融資率9割以下の金利が適用される。
- 費用:保証料と繰上返済手数料は不要。融資手数料は取扱金融機関により異なり、物件検査手数料が必要になる場合がある。
- 借入額:100万円以上1億2,000万円以下で、借り換えるローンの残高か担保評価額の200%のいずれか低い額まで。一定の諸費用を含められる。
民間の住宅ローンからの借り換えのほか、【フラット35】や住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫を含む)のローンからの借り換えもできるとされています。ただし、同じ金融機関の中で、その金融機関の住宅ローンから【フラット35】へ借り換えられるかは、金融機関によって取扱いが異なります。
金利は「資金を受け取るとき」に決まる
【フラット35】借換融資の金利は、申込時ではなく資金受取時の金利が適用され、借入金利は毎月見直されると案内されています。申し込んでから資金を受け取るまでの間に金利が変われば、試算と実際の返済額がずれることになります。
どのくらいずれるかを計算例で見ると、2,000万円を25年で借りる場合、年1.9%なら毎月の返済額は83,801円、年2.0%なら84,771円で、月970円、総額では291,110円の差です(金利はいずれも仮定)。試算するときは、申込時点の金利だけでなく、少し上下した金利でも計算しておくと、資金受取時の変化に慌てずに済みます。なお、資金の受取日は取扱金融機関の定める日とされています。
申込時の金利から0.1%上下した場合の試算例です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 年1.8% | 82,838円 | 24,850,846円 | 4,850,846円 |
| 年1.9% | 83,801円 | 25,139,945円 | 5,139,945円 |
| 年2.0% | 84,771円 | 25,431,055円 | 5,431,055円 |
諸費用を借入れに含めるかどうか
【フラット35】借換融資では、次の諸費用を借入額に含めることができます。金銭消費貸借契約書の印紙税、融資手数料、抵当権の設定・抹消のための登録免許税と司法書士報酬、物件検査手数料、借換前のローンを完済する際の繰上返済手数料と経過利息、借り換えの際に新規で契約する火災保険料・地震保険料です。
費用を借入れに含めれば手元資金は減りませんが、その分の利息がかかります。計算例として、残高2,000万円を25年・年1.9%(仮定)で借り換え、諸費用70万円を現金で払う場合は毎月83,801円、総額は費用込みで25,839,945円です。諸費用を含めて2,070万円を借りると毎月86,734円、総額26,019,845円となり、179,900円多くなります。手元資金を残す価値と、この差を比べて決めることになります。
住宅ローン控除を受けている場合、借入額が借り換え直前の残高より多いと、控除の対象額は年末残高×(借り換え直前の残高÷新しい借入額)で計算します(国税庁)。この例なら2,000万円÷2,070万円で約96.6%です。詳しくは借り換え後の住宅ローン控除へ。
利息の合計の比較です。現金で払う場合は、別に諸費用70万円がかかります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 2,000万円(諸費用は現金) | 83,801円 | 25,139,945円 | 5,139,945円 |
| 2,070万円(諸費用を含める) | 86,734円 | 26,019,845円 | 5,319,845円 |
借入期間と返済方法の選び方
借入期間の上限は、「80歳−申込時の年齢」「40年−住宅取得時のローンの経過期間」「35年(長期優良住宅などは50年)」のうち最も短い年数です(いずれも1年未満切上げ)。借入期間が20年以下か、21年以上35年以下か、36年以上かによって金利が異なり、20年以下を選んだ場合は原則として返済途中で21年以上に変更できないとされています。
返済方法は元利均等毎月払いと元金均等毎月払いから選べ、6か月ごとのボーナス払い(借入額の40%以内)も併用できます。本サイトのシミュレーションは元利均等・毎月返済・ボーナス返済なしで計算しているため、元金均等やボーナス払いを選ぶ場合は金融機関の試算で確認してください。金利の引下げメニューは、借換融資では【フラット35】子育てプラス以外は利用できないとされています。
団信と火災保険は改めて手続きする
今のローンで団体信用生命保険に加入していても、その保障は借り換えで終了します。【フラット35】借換融資で団信に加入するには、改めて申込みが必要です。健康上の理由などで加入しない場合も借換融資は利用でき、その場合の金利は取扱金融機関の案内で確認します。団信の種類によって金利が変わるため、比較のときは同じ保障内容の金利どうしで比べてください。
火災保険は返済が終わるまで加入が必要で、保険金額は原則として借入額以上です。今の火災保険を継続できる場合もあります。保険期間や保険料の払い方は取扱金融機関によって異なるため、見積りの段階で確認しておきます。
手続きの大まかな流れ
- 借り換えるかどうかの検討:住宅金融支援機構は、諸費用を含めた総費用を考慮し、シミュレーションで効果を確認するよう案内しています。
- 取扱金融機関と商品タイプの選択:金利と融資手数料は取扱金融機関によって異なります。
- 申込みと審査:年齢、総返済負担率、返済実績、住宅の条件などが確認されます。
- 物件検査:技術基準への適合を適合証明書で確認する場合は検査が必要です。
- 契約と資金受取:資金受取時の金利が適用されます。受け取った資金で今のローンを完済します。
- 抵当権の設定と抹消:機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定し、前のローンの抵当権を抹消します。
審査の条件は借り換えの条件と審査で詳しく整理しています。
変動金利からの借り換えなら、上昇シナリオで比べる
変動金利のローンから全期間固定の【フラット35】へ借り換える場合、借り換え後の金利が今の変動金利より高ければ、毎月の返済額や総額が増える条件になります。その場合、比べる相手は「今の変動金利が将来どこまで上がるか」です。上がらなければ借り換えないほうが総額は少なく、大きく上がれば固定にしておいたほうが少なくなります。
どの程度の上昇で逆転するかは、固定金利の水準と諸費用によって変わります。計算の考え方は変動から固定への借り換えで、シナリオ別の表とあわせて解説しています。
提示金利で試算して比べる
取扱金融機関の金利情報で借入期間に応じた金利を確認したら、借り換えシミュレーションに現在の残高・残り期間・金利と、【フラット35】の金利・借入期間・諸費用を入力してください。資金受取時の金利の変化に備え、金利を0.1%程度上下させた結果も確認しておくと安心です。変動金利が上がった場合との比較は変動と固定の比較シミュレーションで行えます。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。