この記事のポイント
- 4,000万円・35年で金利1.0%と1.1%を比べると、毎月1,874円、総返済額で786,945円の差になります。
- 同じ0.1ポイントでも、返済期間が長いほど、金利水準が高いほど総額の差は大きくなります。
- 4,000万円・35年の例では、0.1ポイント低い金利でも追加費用が80万円なら総額は逆転します。
- 変動金利では、別々の金融機関の契約時の0.1ポイントの差が将来も続くとは限りません。
0.1%の差は、4,000万円・35年で総額約79万円
計算例として、4,000万円を35年(420回)で借りる場合、金利1.0%と1.1%では毎月の返済額が112,915円と114,789円で、差は1,874円です。年間では22,488円、35年間の総返済額では786,945円の差になります。金利は説明用の仮の数字で、特定の金融機関の金利ではありません。
毎月2,000円弱と聞くと小さく感じますが、35年分を合計すると80万円近くになります。一方で、0.1ポイントの差のために高い手数料を払ったり、保障内容を大きく変えたりすると、かえって負担が増えることもあります。このページでは、0.1ポイントの重みを数字で確かめたうえで、ほかの費用と比べるときの考え方を整理します。
借入額・期間別の早見表(1.0%と1.1%)
元利均等・毎月返済で、金利が全期間一定と仮定した試算です。
| 借入額 | 25年(300回) | 35年(420回) |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 月+909円/総額+272,633円 | 月+937円/総額+393,468円 |
| 3,000万円 | 月+1,363円/総額+408,982円 | 月+1,406円/総額+590,151円 |
| 4,000万円 | 月+1,818円/総額+545,281円 | 月+1,874円/総額+786,945円 |
| 5,000万円 | 月+2,272円/総額+681,606円 | 月+2,343円/総額+983,632円 |
借入額が1,000万円増えるごとに、総額の差は25年で約14万円、35年で約20万円ずつ大きくなっています。5,000万円・35年では、0.1ポイントの差がほぼ100万円に達します。
期間が長いほど0.1%の重みは増す
同じ3,000万円でも、25年なら総額の差は408,982円、35年なら590,151円です。毎月の差は1,363円と1,406円でほとんど変わりませんが、払う回数が120回多く、残高が高い期間も長いため、総額の差は約1.4倍になります。
返済期間を長くすると毎月の返済額は小さくなりますが、金利の小さな差が総額に及ぼす影響は大きくなります。月々の負担と総額を別の指標として読む考え方は、月々の返済額と総支払額の解説でも説明しています。期間の長い借入れを比べるときほど、0.1ポイント単位の違いを丁寧に確認する意味があります。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 25年・1.0% | 113,062円 | 33,918,329円 | 3,918,329円 |
| 25年・1.1% | 114,425円 | 34,327,311円 | 4,327,311円 |
| 35年・1.0% | 84,686円 | 35,567,733円 | 5,567,733円 |
| 35年・1.1% | 86,092円 | 36,157,884円 | 6,157,884円 |
金利の水準が高いほど、同じ0.1%の差は大きくなる
4,000万円・35年で、出発点の金利を変えて0.1ポイントの差を比べました。
| 比べる金利 | 毎月の差 | 総返済額の差 |
|---|---|---|
| 0.5%と0.6% | +1,777円 | +746,515円 |
| 1.0%と1.1% | +1,874円 | +786,945円 |
| 2.0%と2.1% | +2,062円 | +866,048円 |
| 3.0%と3.1% | +2,241円 | +941,181円 |
金利が高いほど残高の減り方が遅く、利息がかかる元金が長く残るため、同じ0.1ポイントでも差が広がります。また、差を0.05ポイントにすると、1.0%と1.05%では毎月934円、総額392,532円の差で、0.1ポイントのほぼ半分です。小さな幅であれば、総額の差はおおむね金利差に比例すると考えて目安をつけられます。
0.1%の差と諸費用を同じ物差しで比べる
全国銀行協会のシミュレーターは、実際の契約時には返済額のほかに収入印紙代、手数料、保証料などが必要となる場合があると案内しています。金利が低い条件ほど手数料が高い、という組合せもあり得るため、金利差だけで比べると判断を誤ることがあります。
本サイトの借り換えシミュレーションの仕組みを使い、4,000万円・35年で「1.1%・追加費用なし」と「1.0%・追加費用30万円」を比べると、1.0%の側が総額で486,945円少なくなります。追加費用が80万円なら、逆に1.0%の側が13,055円多くなります。25年返済で同じ30万円の場合は、差は245,281円に縮みます。費用は最初に一度で払い、金利差の効果は長い時間をかけて積み上がるため、早めに繰上返済や借り換えをする予定があるなら、実際の効果はこれより小さくなる点にも注意してください。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 毎月の返済額 | 支払総額 | |
|---|---|---|
| 金利1.1% | 114,789円 | 48,210,622円 |
| 金利1.0%+費用30万円 | 112,915円 | 47,723,677円 |
変動金利では、契約時の0.1%の差が続くとは限らない
三菱UFJ銀行の解説によると、適用金利は基準金利から優遇幅を差し引いて決まり、優遇幅は金融機関ごとに異なるほか、申込内容や取引条件でも変わります。優遇幅は契約時に決まり、原則として借入後に変更できません。
同じ金融機関の中で優遇幅だけが0.1ポイント違う場合、通期優遇型なら基準金利が動いても差は保たれます。しかし、別々の金融機関の変動金利を比べる場合は、それぞれの基準金利が別々に見直されるため、契約時の0.1ポイントの差が将来も同じとは限りません。当初期間だけ優遇幅が大きいタイプでは、期間終了後に差が逆転することもあります。この違いは優遇金利の種類の解説で計算しています。
0.1%を比べる前に、条件をそろえる
金利を0.1ポイント単位で比べるなら、比べている金利が同じ条件のものかを先に確かめる必要があります。三菱UFJ銀行の解説にあるとおり優遇幅は申込内容や取引条件によっても変わるため、公表されている金利が、自分が借りるときの適用金利と一致するとは限りません。
確認したいのは、次のような点です。
- 引下げの条件(申込内容や取引条件など)と、条件を満たさなくなった場合の扱い
- 引下げが全期間か、当初の一定期間だけか
- 団体信用生命保険の保障を広げると金利が上乗せされるか
- 保証料が金利に含まれているか、別に一括で払うか
条件がそろっていない2つの金利の差は、0.1ポイントでも単純には比べられません。条件の違いをそろえたうえで残る差について、上の早見表で総額への影響を見積もると、比較の精度が上がります。
自分の条件で0.1%の差を計算する
金利上昇シミュレーションに借入額(またはローン残高)と返済期間、比べたい2つの金利を入れると、毎月と総額の差が表示されます。借入額ごとの返済額を表で見たい場合は4000万円の返済額早見表などの早見表も使えます。
手数料や保証料の違いもある場合は、借り換えシミュレーションで「借り換え諸費用」の欄に費用の差額を入れると、費用込みの総額で比べられます。どちらの条件が自分に合うかは、総額だけでなく、手元資金や保障内容、返済中の予定も含めて考えてください。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。