金利の読み方

変動金利を選ぶ人はどのくらい?住宅金融支援機構の利用者調査の読み方

住宅金融支援機構の2026年1月調査では、住宅ローン利用者の75.0%が変動型でした。調査の対象と方法、金利の見通しやリスク理解度、返済額が増えたときの対応など、数字の読み方と自分の判断との距離を整理します。

この記事のポイント

  • 2026年1月調査では、変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。
  • この割合は2025年4月〜9月に新しく借りた人の回答で、返済中の人全体の割合ではありません。
  • 利用者全体の73.7%が、今後1年間で住宅ローン金利は「現状よりも上昇する」と答えています。
  • 返済額が3万円増えた場合に「返済継続」と答えた人は24.2%で、1万円の場合の58.8%から大きく減ります。

2026年1月調査では、利用者の75.0%が変動型

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)」によると、利用した住宅ローンの金利タイプは、変動型が75.0%、固定期間選択型が14.9%、全期間固定型が10.1%でした。前回の2025年4月調査と比べると、変動型は4.0ポイント減り、固定期間選択型は2.7ポイント、全期間固定型は1.3ポイント増えています。

4人に3人が変動型を選んでいるという結果ですが、この割合は「変動型が正しい選択だ」ということを意味しません。どんな人を対象にした調査か、ほかにどんな数字が載っているかを知ると、割合の受け止め方が変わります。以下で、調査の中身を順に読んでいきます。

利用した住宅ローンの金利タイプ(2026年1月調査)
  1. 変動型75.0%
  2. 固定期間選択型14.9%
  3. 全期間固定型10.1%

2025年4月〜9月に住宅ローンを借りた人の回答(回答数1,237件)。
出典:住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)

グラフの数値を表で見る
利用した住宅ローンの金利タイプ(2026年1月調査)
項目値
変動型75.0%
固定期間選択型14.9%
全期間固定型10.1%

調査の対象と方法

調査の資料によると、対象は2025年4月から2025年9月までに住宅ローンを借りた全国の20歳以上70歳未満の方(学生と無職の方を除く)で、回答数は1,237件です。借換え、リフォームローン、土地のみのローン、投資用のローンは対象外で、調査はインターネットのアンケートで2026年1月7日から20日に行われました。

住宅金融支援機構の調査一覧ページでは、この調査がインターネット調査会社のモニターを利用したアンケートであることが説明されており、過去の調査結果も一覧で公開されています。つまり、この75.0%は「ある半年間に新しく借りた人の回答」であり、返済中の人全体の割合や、金融機関の貸出残高の割合ではありません。時期が違えば、結果も変わり得ます。

過去の調査と比べるときの注意

全国銀行協会のFPの回答では、住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査(2021年4月調査)」を引用し、変動金利を選んだ人が68.1%、全期間固定型が11.2%、固定期間選択型が20.7%だったと紹介しています。2026年1月調査の数字と並べると、変動型の割合は高い水準が続いていることが分かります。

ただし、調査の名称や設問の選択肢は時期によって変わることがあり、2026年1月調査の資料にも、返済期間の選択肢を途中で追加・変更した旨の注記があります。過去の数字と比べるときは、それぞれの資料で対象と設問を確かめ、細かな増減を読み込みすぎないようにしましょう。最新の結果と過去の資料は、機構の調査一覧ページから確認できます。

金利タイプ以外の数字:借入金利・返済期間・負担率

同じ調査には、金利タイプ以外にも借入れの姿を知る手がかりが載っています。

  • 借入金利:「年0.5%超〜年1.0%以下」が53.4%で最も多い
  • 返済期間:「30年超〜35年以内」が38.9%で最も多い
  • 融資率(融資額÷住宅価格):「90%超〜100%以下」が24.1%で最も多い
  • 返済負担率(年間返済額÷世帯年収):「15%超〜20%以内」が26.2%で最も多い
  • ペアローンまたは収入合算の利用:38.7%

いずれも「最も多い区分」であり、平均や目安ではありません。自分の条件がこの区分に入るかどうかは、借入れの妥当性とは別の話です。返済負担率の考え方は年収と借入額の解説で説明しています。

73.7%が金利上昇を予想、約半数がリスクの理解に不安

調査では、今後1年間の住宅ローン金利について、全体の73.7%が「現状よりも上昇する」と答え、前回から8.0ポイント増えました。金利タイプ別では、変動型76.0%、固定期間選択型59.8%、全期間固定型77.6%です。変動型の利用者の多くが、借りたあとの調査時点で金利の上昇を予想していることになります。

変動型・固定期間選択型の利用者1,112人への質問では、「将来、金利が上昇した場合に、返済額がどれくらい増えるか」について、「理解しているか少し不安」36.8%、「よく理解していない」11.2%、「全く理解していない」4.0%で、合わせて52.0%でした。金利が上がると考えていても、自分の返済額への影響までは把握していない人が半数いるということです。返済額が変わるルールは変動金利の見直し時期で整理しています。

返済額が1万円・3万円増えたらどうするか

同じ1,112人に、金利上昇で毎月の返済額が増えた場合の対応を尋ねた結果です。

返済額が増加した際の対応(変動型・固定期間選択型の利用者、2026年1月調査)
毎月の増加額返済目処や資金余力があるので返済継続完済・一部繰上返済・借換え見当がつかない、わからない
1万円58.8%23.3%15.5%
3万円24.2%44.1%27.2%
5万円12.8%44.9%38.4%

中央の列は、全額完済、一部繰上返済、借換え(全期間固定・変動・固定期間選択の各タイプ)の回答の合計で、5万円の行は資料のグラフの内訳を足したものです。増加額が大きくなるほど、返済継続が減り、「見当がつかない」が増えています。

では、毎月1万円・3万円増えるのは金利が何%になったときでしょうか。計算例として3,000万円・35年(420回)・0.8%(毎月81,919円)で借りた場合、1万円増えるのは約1.505%、3万円増えるのは約2.787%、5万円増えるのは約3.95%になったときです(0.001%刻みで探した値)。自分のローンでこの金利を知っておくと、「見当がつかない」から一歩進めます。備え方は金利上昇への備えにまとめています。

「返済継続」と答えた割合(返済額の増加額別)
  1. 1万円増加58.8%
  2. 3万円増加24.2%
  3. 5万円増加12.8%

変動型・固定期間選択型の利用者1,112人のうち「返済目処や資金余力があるので返済継続」と答えた割合。
出典:住宅金融支援機構:住宅ローン利用者の実態調査(2026年1月調査)

グラフの数値を表で見る
「返済継続」と答えた割合(返済額の増加額別)
項目値
1万円増加58.8%
3万円増加24.2%
5万円増加12.8%

日銀の利上げで、借り方を変えた人も

調査では、日本銀行が2024年3月以降に行った政策金利の引上げを受けて住宅ローンの選択などに変化があったかも尋ねており、49.7%が変化があったと回答しています。内容(複数回答・上位5つ)は、「借入額を減らした」9.9%、「返済期間を長くした」7.3%、「返済期間を短くした」6.0%、「住宅取得時期を前倒した」5.9%、「住宅予算を減らした」5.5%でした。

借入額を減らす、期間を変えるといった対応は、金利だけでなく毎月の返済額と総額の両方に影響します。期間を長くすれば毎月は軽くなりますが、総額は増えます。どの対応が合うかは家計によって違うため、割合の多さではなく、自分の数字で比べて決めることが大切です。

多数派かどうかではなく、自分の数字で比べる

全国銀行協会のFPの回答は、将来の金利の動向を正しく読むことはほぼ不可能だとしたうえで、変動リスクにどれだけ対処できるかを判断材料にしてはどうかと述べています。調査の割合は、ほかの人がどう選んだかを示すもので、自分の家計がどこまで金利上昇に耐えられるかは教えてくれません。

変動金利と固定金利の比較シミュレーションに借入額・期間・それぞれの金利と上がり方を入れると、総額の差と上昇幅ごとの比較表が表示されます。返済中の方は金利上昇シミュレーションで、今の残高に対して毎月いくら増えるかを確かめてください。どちらの結果も特定の金利タイプを勧めるものではありません。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。