この記事のポイント
- 残高3,000万円・残り30年・0.6%の例では、3%になると毎月35,403円増え、負担はおよそ4割増えます。
- 同じ例で利息の合計は、0.6%の約279万円から3%では約1,553万円と5倍以上になります。
- 3%では最初の月の返済額126,482円のうち75,000円が利息で、元金の減りが遅くなります。
- 5年ルール・125%ルールがある契約では、増加が抑えられた分のしわ寄せが後の返済に回ります。
金利が3%になると、返済額はどこまで増える?
計算例として、残高3,000万円・残り30年・適用金利0.6%のローンを考えます。金利が2%になると毎月の返済額は91,079円から110,886円(+19,807円)、3%なら126,482円(+35,403円)です。3%では月々の負担がおよそ4割増える計算になります。
ここで使う0.6%・2%・3%は、いずれも説明用の仮の数字です。将来の金利の予測や、金融機関が提示する金利ではありません。「もしこの水準になったら」を確かめるための比較として読んでください。
0.6%から3%は2.4ポイントの上昇で、1ポイント上昇の試算よりかなり大きな幅です。小さな上昇幅だけで安心するのではなく、大きめの水準でも一度計算しておくと、家計のどこを調整すれば対応できるのか、あるいは対応が難しいのかを、時間に余裕があるうちに考えられます。以下では、残高別の月額、年額と利息の合計、返済額の内訳、残り期間の違いの順に確認します。
残高別の毎月の返済額(残り30年)
元利均等・毎月返済で、各金利が残り30年間ずっと続くと仮定した試算です。
| ローン残高 | 0.6% | 2% | 3% | 0.6%→3%の増加 |
|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 60,720円 | 73,924円 | 84,321円 | +23,601円 |
| 3,000万円 | 91,079円 | 110,886円 | 126,482円 | +35,403円 |
| 4,000万円 | 121,439円 | 147,848円 | 168,642円 | +47,203円 |
| 5,000万円 | 151,799円 | 184,810円 | 210,803円 | +59,004円 |
0.6%から2%への増加は、2,000万円で13,204円、4,000万円で26,409円です。2%から3%へのさらに1ポイントの上昇では、2,000万円で10,397円、5,000万円で25,993円が上乗せされます。
年間でいくら増える?利息の合計はどう変わる?
毎月の増加を年額に直すと、家計への影響がつかみやすくなります。残高3,000万円なら、2%で年237,684円、3%で年424,836円の増加です。5,000万円では、3%で年708,048円増えます。
| ローン残高 | 0.6% | 2% | 3% |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,858,733円 | 6,612,339円 | 10,355,172円 |
| 3,000万円 | 2,788,238円 | 9,918,649円 | 15,532,779円 |
| 4,000万円 | 3,717,713円 | 13,224,931円 | 20,710,601円 |
| 5,000万円 | 4,647,162円 | 16,531,223円 | 25,888,201円 |
3,000万円の例では、利息の合計は0.6%の約279万円から、3%では約1,553万円へと5倍以上になります。毎月の増加は約4割でも、利息だけを取り出すと増え方はずっと大きく見えます。
年42万円あまりの増加は、ボーナスや貯蓄の取り崩しで一時的に吸収できる額かもしれませんが、毎年続くとなると話は別です。月額・年額・総額のどれで見るかによって印象が大きく変わるため、家計の判断には月額と年額、将来の計画には総額というように、目的に合った数字を選んで使うことが大切です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 0.6% | 91,079円 | 32,788,238円 | 2,788,238円 |
| 2% | 110,886円 | 39,918,649円 | 9,918,649円 |
| 3% | 126,482円 | 45,532,779円 | 15,532,779円 |
3%のとき、毎月の返済の中身はこう変わる
同じ3,000万円・残り30年で、最初の月の返済額の内訳を比べます。0.6%では返済額91,079円のうち利息は15,000円、元金は76,079円です。3%では返済額126,482円のうち利息が75,000円、元金は51,482円になります。
金利が高いと、毎月多く払っていても、最初のうちは半分以上が利息です。元金の減り方が遅いぶん、残高が高い期間が長く続き、総額が大きくなります。返済表で年ごとの元金と利息の推移を確かめたい方は返済内訳の読み方を参考にしてください。
- 元金
- 利息
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 年 | 元金 | 利息 | 年間返済額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 626,355円 | 891,429円 | 1,517,784円 |
| 3年目 | 665,040円 | 852,744円 | 1,517,784円 |
| 6年目 | 727,585円 | 790,199円 | 1,517,784円 |
| 9年目 | 796,014円 | 721,770円 | 1,517,784円 |
| 12年目 | 870,881円 | 646,903円 | 1,517,784円 |
| 15年目 | 952,787円 | 564,997円 | 1,517,784円 |
| 18年目 | 1,042,401円 | 475,383円 | 1,517,784円 |
| 21年目 | 1,140,440円 | 377,344円 | 1,517,784円 |
| 24年目 | 1,247,699円 | 270,085円 | 1,517,784円 |
| 27年目 | 1,365,049円 | 152,735円 | 1,517,784円 |
| 30年目 | 1,492,692円 | 24,351円 | 1,517,043円 |
残り期間が短い場合の増え方
残り期間が20年の場合も見ておきます。残高3,000万円・残り20年では、0.6%で132,682円、3%で166,380円となり、増加は33,698円です。残り30年の増加(35,403円)より少し小さい一方、もともとの返済額が大きいため、3%のときの月額は16万円を超えます。
返済が進んで残り期間が短くなっていても、残高が大きければ金利上昇の影響は小さくありません。逆に、残高が小さくなっていれば、同じ3%でも増加額は表の比例で小さくなります。自分の残高と残り期間の組合せで計算することが大切です。
年収に対する割合で見ると負担感がつかみやすい
返済額を年収に対する割合で見ると、家計の中での重さが比べやすくなります。仮に年収600万円の世帯が残高3,000万円・残り30年のローンを返している場合、年間の返済額は0.6%で1,092,948円(年収の18.2%)、2%で1,330,632円(22.2%)、3%で1,517,784円(25.3%)です。
参考として、【フラット35】は新しく借りる人の基準として、年収400万円以上なら総返済負担率35%以下(400万円未満は30%以下)を示し、住宅ローン以外の自動車ローンやカードローンなども含めて計算するとしています(2026年4月1日現在のご利用条件)。これは借入れを申し込むときの基準であり、返済中の家計が安全かどうかを判定する数字ではありません。教育費や車の買い替えなど、ほかの支出も含めて考える必要があります。割合の計算方法は年収と借入額の解説にまとめています。
5年ルールがある契約では3%の返済額がすぐには来ない
全国銀行協会の解説によると、元利均等返済の変動金利では返済額の見直しが通常5年ごとで、見直し時の増加は一般にそれまでの返済額の125%が上限とされます。上の3,000万円の例に当てはめると、91,079円の125%は113,848円で、3%で再計算した126,482円を下回ります。この場合、上限に達した分だけ元金の返済が遅れ、そのしわ寄せは後の返済に回ります。
どのように精算されるかは金融機関によって異なります。仕組みと注意点は5年ルール・125%ルールの解説、利息が返済額を上回る場合については未払利息の解説で説明しています。
自分の残高で2%・3%を試す
金利上昇シミュレーションに、返済予定表のローン残高・残りの返済期間・現在の適用金利を入れ、「比べたい金利」に2や3を入れてください。毎月の差、残り総額の差、利息の合計を同じ画面で比べられます。
段階的に上がっていく場合の総額は変動金利の上限を複数の水準で試す方法で扱っています。計算結果は、特定の金利タイプや商品を選ぶよう勧めるものではありません。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。