繰上返済

繰上返済はいつがいい?時期で変わる減る利息を計算

同じ100万円の繰上返済を今・5年後・10年後…と時期を変えて実行した場合に、減る利息と短くなる期間がどう変わるかを早見表で比較。貯まるまで待つ場合との比べ方や、時期を決める前の確認点も解説します。

この記事のポイント

  • 同じ100万円なら早いほど減る利息は大きく、今すぐなら671,784円・18か月短縮(3,000万円・35年・1.5%の例)
  • 同じ100万円でも25年後に繰り上げると、減る利息は153,323円・12か月短縮まで小さくなる
  • 返済額軽減型の月々の減少は、実行が遅いほど大きくなる(今すぐ3,062円、25年後8,983円)
  • 金額が違えば結果は入れ替わり、1年後の112万円は今の100万円より利息が多く減った

繰上返済は早いほど減る利息が大きい:100万円での計算例

同じ金額を繰上返済するなら、実行する時期が早いほど減る利息は大きくなります。計算例として、残高3,000万円・残り35年(420回)・年1.5%が続くと仮定したローンで、100万円を期間短縮型で繰り上げると、今すぐなら減る利息は671,784円、返済期間は18か月短くなります。同じ100万円を10年後に入れると441,319円・15か月、25年後なら153,323円・12か月です。

全国銀行協会のファイナンシャル・プランナーによる回答でも、繰上返済は金額が大きいほど、また時期が早いほど効果が高いと説明されています。ただし「早いほど利息が減る」ことと「今すぐ実行すべき」ことは同じではありません。手元資金をどれだけ残すかという別の問題があるためです。この記事では、時期による差を数字で確かめたうえで、時期を決める前に確認したい点を整理します。

3,000万円・35年・1.5%で今すぐ100万円を繰上返済
  1. 繰上返済なし858万円
  2. 期間短縮型791万円
  3. 返済額軽減型829万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年・1.5%で今すぐ100万円を繰上返済
方法利息の合計毎月の返済額返済期間
繰上返済なし8,578,882円91,856円35年
期間短縮型7,907,098円91,856円33年6か月
返済額軽減型8,292,927円88,794円35年

実行時期別の早見表:期間短縮型と返済額軽減型

上の条件(元利均等・毎月返済・金利一定、手数料0円)で、繰上返済の時期だけを変えた結果です。「繰上時の残高」は、それまで通常どおり返済した後の残高です。

残高3,000万円・35年・年1.5%で100万円を繰り上げた場合(計算例)
実行時期繰上時の残高期間短縮型:減る利息短くなる期間返済額軽減型:減る利息月々の減少
今すぐ30,000,000円671,784円18か月285,955円3,062円
5年後26,615,387円552,332円16か月242,366円3,452円
10年後22,967,338円441,319円15か月199,781円4,000円
15年後19,035,348円338,176円14か月158,050円4,827円
20年後14,797,322円242,345円13か月117,283円6,210円
25年後10,229,433円153,323円12か月77,454円8,983円

どちらの型でも、実行が遅くなるほど減る利息は小さくなります。一方、返済額軽減型の「月々の減少」は遅いほど大きくなっています。残りの回数が少ないほど、同じ100万円を少ない回数で割り戻すことになるためです。

なぜ時期が早いほど利息が減るのか

繰上返済したお金は元金に充てられ、その元金に対してこれから付くはずだった利息がなくなります。毎月の利息は「その時点の残高×年利÷12」で決まるので、元金を減らした状態が長く続くほど、減る利息の合計も大きくなります。

ごく大まかに言えば、年1.5%なら100万円の元金には1年で約1万5千円の利息が付きます。残りが30年以上ある時点で元金を減らせば、その分の利息が長い期間にわたって発生しなくなり、残り10年の時点で同じことをするより効果が大きくなります(実際には残高が毎月減っていくため、単純な掛け算どおりにはなりません。表は毎月の利息を積み上げた結果です)。

反対に、すでに返済が進んで残り期間が短いと、減らせる利息の期間そのものが短くなります。返済の後半では、毎月の返済額のうち利息の割合が小さくなっていることも関係します。この推移は返済の最初は利息が多い理由で詳しく計算しています。

3,000万円・35年・1.5%の年ごとの元金と利息
  1. 1年目利息40%
  2. 5年目利息37%
  3. 10年目利息32%
  4. 15年目利息27%
  5. 20年目利息21%
  6. 25年目利息15%
  7. 30年目利息8%
  8. 35年目利息1%
  • 元金
  • 利息

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年・1.5%の年ごとの元金と利息
年元金利息年間返済額
1年目656,780円445,492円1,102,272円
5年目697,368円404,904円1,102,272円
10年目751,647円350,625円1,102,272円
15年目810,150円292,122円1,102,272円
20年目873,206円229,066円1,102,272円
25年目941,171円161,101円1,102,272円
30年目1,014,427円87,845円1,102,272円
35年目1,092,746円8,888円1,101,634円

「お金が貯まるまで待つ」場合との比べ方

時期を考えるとき、よくあるのは「今ある100万円で繰り上げるか、1年待って増えた額でまとめて繰り上げるか」という迷いです。同じ条件で、今100万円を入れる場合と、1年後に112万円を入れる場合を期間短縮型で比べると、今すぐは減る利息671,784円・18か月短縮、1年後の112万円は722,393円・20か月短縮でした。

この例では、金額が増える効果が1年遅れる効果を上回っています。つまり「早いほど有利」は同じ金額で比べたときの話で、金額が違えば結果は入れ替わることがあります。また、待つ間に追加で貯めた12万円を手元に残す選択肢との比較でもありません。比べるときは、実行時期と金額の組み合わせを具体的に置いて、1件ずつ計算するのが確実です。

金融機関によっては1回あたりの最低金額や手数料があり、こまめに入れるかまとめて入れるかの判断に影響します。回数と手数料の考え方は少額の繰上返済を何度もする場合で計算しています。

時期を決める前に確認したいこと

減る利息の大きさだけで時期を決めると、あとで困ることがあります。次の点を自分の状況で確認してください。

  • 手元資金:繰り上げた元金は戻ってきません。病気や失業、修繕など急な支出に充てるお金を残したうえで、余った分を使うかを考えます。
  • 近いうちの大きな支出:全国銀行協会は、近い将来に教育費の負担増が予想される場合などに返済額軽減型も検討するよう案内しています。時期だけでなく型の選び方も変わります。
  • 最低金額と手数料:繰上返済の金額に10万円以上や100万円以上といった制限がある場合や、手数料が1回あたり無料から数万円まで違う場合があります。自分の契約で確認します。
  • 住宅ローン控除の期間:控除は年末残高を基に計算するため、控除期間中の繰上返済は控除額にも影響します。詳しくは繰上返済と住宅ローン控除へ。
  • 金利タイプ:本サイトの計算は金利が一定の前提です。変動金利で将来の金利が上がれば、減る利息は表より大きくなり、下がれば小さくなります。

申込みから実行までの時期と計算の前提

本サイトの繰上返済シミュレーションは、指定した時期の返済の直後、次の月の利息が付く前に一度だけ元金を減らすモデルです。実際の繰上返済では、申込みの締切日や実行できる日、返済日との関係が契約ごとに決まっています。実行日がずれると、その間の利息の分だけ結果も少し変わります。

また、全国銀行協会のFP回答では、期間短縮型の場合は繰上返済額が月単位で計算されるため、実際の返済額が若干前後すると注記されています。本サイトでは元金を指定額どおり減らし、最後の回の返済額が小さくなる形で計算しています。結果に多少の違いが出るのはこのためで、正確な額は金融機関の試算で確認してください。

期間短縮型と返済額軽減型の基本的な違いは期間短縮と返済額軽減の比較で説明しています。

自分のローンで「いつ繰り上げるか」を試す

繰上返済シミュレーションに、返済予定表にある現在の残高、残りの返済回数、適用金利、繰上返済額、手数料を入力し、「繰り上げる時期を指定する」で今から何か月後に実行するかを変えてみてください。同じ金額で時期だけを変えると、上の表と同じように減る利息と短くなる期間の違いを確認できます。金利が上がった場合の影響を合わせて見たいときは、金利上昇シミュレーションで残りの総額も比べられます。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。