この記事のポイント
- 元利均等返済では、返済の最初ほど利息の割合が大きく、その後ゆっくり下がる
- 3,500万円・35年・1.5%では、1回目の返済107,165円のうち利息が43,750円(約40.8%)
- 同じ例で最初の10年に払う利息は、35年間の利息合計の約46.5%
- 年2.5%なら最初の87回は利息が元金を上回り、残高の減り方も遅くなる
最初の返済ほど利息の割合が大きい:計算例
元利均等返済では、毎月の返済額は同じでも、その中身(利息と元金の割合)は毎月変わります。返済の最初ほど利息の割合が大きく、返済が進むにつれて元金の割合が大きくなります。
計算例として、3,500万円を35年・年1.5%(仮定)で借りると、毎月の返済額は107,165円です。1回目の返済のうち利息は43,750円(約40.8%)、元金は63,415円です。10年後(120回目)には利息33,586円・元金73,579円、20年後(240回目)には利息21,686円・元金85,479円となり、最後の回の利息は133円です。「最初は利息ばかり」というほどではありませんが、利息の割合は最初が最も大きく、その後ゆっくり下がっていきます。
返済表で見る利息と元金の推移
| 返済回 | 利息 | 元金 | 返済額に占める利息 | 返済後の残高 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 43,750円 | 63,415円 | 40.8% | 34,936,585円 |
| 60回目(5年) | 38,899円 | 68,266円 | 36.3% | 31,051,308円 |
| 120回目(10年) | 33,586円 | 73,579円 | 31.3% | 26,795,277円 |
| 180回目(15年) | 27,859円 | 79,306円 | 26.0% | 22,207,984円 |
| 240回目(20年) | 21,686円 | 85,479円 | 20.2% | 17,263,647円 |
| 300回目(25年) | 15,033円 | 92,132円 | 14.0% | 11,934,471円 |
| 360回目(30年) | 7,862円 | 99,303円 | 7.3% | 6,190,506円 |
毎月の利息は「その時点の残高×年利÷12」(1円未満切捨て)で決まり、返済額から利息を引いた残りが元金に充てられます。残高が減るほど利息が減り、そのぶん元金に回る額が増えていく、というのが元利均等返済の仕組みです。
- 元金
- 利息
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 年 | 元金 | 利息 | 年間返済額 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 766,240円 | 519,740円 | 1,285,980円 |
| 5年目 | 813,592円 | 472,388円 | 1,285,980円 |
| 10年目 | 876,916円 | 409,064円 | 1,285,980円 |
| 15年目 | 945,169円 | 340,811円 | 1,285,980円 |
| 20年目 | 1,018,735円 | 267,245円 | 1,285,980円 |
| 25年目 | 1,098,026円 | 187,954円 | 1,285,980円 |
| 30年目 | 1,183,490円 | 102,490円 | 1,285,980円 |
| 35年目 | 1,275,076円 | 10,373円 | 1,285,449円 |
なぜ最初は利息が多いのか
利息は残高に対してかかるため、残高が最も大きい返済の最初に、利息も最も大きくなります。元利均等返済では毎月の返済額を一定にするので、最初は利息が大きいぶん元金に回る額が小さく、残高の減り方もゆっくりです。
全国銀行協会は、元利均等返済は毎回の返済額が一定で返済計画を立てやすい一方、元金均等返済と比べて返済開始からしばらくの間は元金の減り方が少ないと説明しています。元金均等返済は毎回の元金を一定にして利息を上乗せする方法で、最初の返済額は大きくなりますが、元金が早く減るぶん総返済額は少なくなるとされています。二つの方法の比較は元利均等返済と元金均等返済の違いで計算しています。
最初の10年で払う利息は全体の約半分
上の例で、35年間に払う利息の合計は10,008,769円です。そのうち最初の10年間(120回)に払う利息は4,655,077円で、全体の約46.5%に当たります。同じ10年間に返す元金は8,204,723円で、10年後の残高は26,795,277円です。借入額の約4分の1を返したところで、利息の総額のほぼ半分を払い終えていることになります。
年単位で見ると、1年目の利息は519,740円・元金は766,240円、10年目は利息409,064円・元金876,916円、20年目は利息267,245円・元金1,018,735円、30年目は利息102,490円・元金1,183,490円です。返済表で年ごとの利息を確かめると、自分のローンでも利息の重さがどの時期に集中しているかがわかります。年ごとの表の読み方は返済表の読み方で説明しています。
金利が高いほど「最初の利息」は重くなる
| 年利 | 1回目の利息 | 1回目の元金 | 返済額に占める利息 | 元金が利息以上になる回 | 残高が半分以下になる回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 14,583円 | 76,272円 | 16.1% | 1回目から | 220回目 |
| 1.5% | 43,750円 | 63,415円 | 40.8% | 1回目から | 238回目 |
| 2.5% | 72,916円 | 52,208円 | 58.3% | 88回目から | 255回目 |
年2.5%では、最初の87回(7年余り)は利息が元金を上回り、「最初は利息のほうが多い」状態になります。年0.5%なら最初から元金の割合が大きく、残高が半分になるのも早くなります。ただし、どの金利でも残高が半分になるのは返済期間の半分(210回)より後です。最初の数年の残高の減り方は、金利が高いほど遅くなります。
- 年0.5%
- 年1.5%
- 年2.5%
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 経過 | 年0.5% | 年1.5% | 年2.5% |
|---|---|---|---|
| 0年後 | 35,000,000円 | 35,000,000円 | 35,000,000円 |
| 5年後 | 30,366,968円 | 31,051,308円 | 31,667,019円 |
| 10年後 | 25,616,672円 | 26,795,277円 | 27,890,755円 |
| 15年後 | 20,746,146円 | 22,207,984円 | 23,612,242円 |
| 20年後 | 15,752,343円 | 17,263,647円 | 18,764,682円 |
| 25年後 | 10,632,154円 | 11,934,471円 | 13,272,386円 |
| 30年後 | 5,382,373円 | 6,190,506円 | 7,049,616円 |
| 35年後 | 0円 | 0円 | 0円 |
途中で金利が上がると、利息の割合も上がる
変動金利で途中から金利が上がると、その時点から利息の割合が大きくなります。上の例(3,500万円・35年・年1.5%)で、10年後の残高26,795,277円に対して金利が年2.5%に上がり、残り25年で返済額を計算し直すと仮定すると、毎月の返済額は120,209円になります。その最初の回の利息は55,823円(約46.4%)、元金は64,386円です。
金利が1.5%のままなら、同じ121回目の利息は33,494円・元金は73,671円でした。金利が上がると、返済額が増えるだけでなく、元金の減り方も遅くなります。契約によっては返済額の見直しが5年ごとなどに限られ、返済額が変わらないまま利息の割合だけが増えることもあります。自分の契約で返済額がいつ見直されるかは、契約書や返済予定表で確認してください。
利息の推移を知っておくと役立つ場面
- 繰上返済の時期:利息の割合が大きい返済の前半に元金を減らすほど、減る利息は大きくなります(繰上返済はいつがいいか)。
- 売却や借り換えのとき:返済の前半は残高の減り方がゆっくりなので、数年後の残高が思ったより多く残っていることがあります。返済表で将来の残高を確認しておきます。
- 住宅ローン控除:控除額は年末残高を基に計算されるため、残高の減り方が控除額の推移にも関係します。
- 金利が上がった場合:金利が上がると、その時点から利息の割合が大きくなり、元金の減り方が遅くなります。
自分の返済表で利息と元金を確かめる
金利上昇シミュレーションに、現在の残高・残りの返済回数・金利を入力すると、年別・月別の返済表で毎回の利息と元金、返済後の残高を確認できます。借入額ごとの返済表は3,500万円の返済表などの早見ページにもまとめています。繰上返済で利息がどれだけ減るかは、繰上返済シミュレーションで確かめてください。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。