この記事のポイント
- 残高2,000万円・残り25年・1.5%なら、100万円の期間短縮型で利息439,228円減・17か月短縮
- 残り期間が長いほど、また金利が高いほど、100万円で減る利息は大きくなる
- 残高の違いで減る利息はほとんど変わらないが、短くなる期間は大きく変わる
- 利息の軽減は期間短縮型が大きく、この例では返済額軽減型の約2.2倍
100万円の繰上返済で減る利息の目安
100万円の繰上返済の効果は、主に「金利」と「残りの返済期間」で決まります。計算例として、残高2,000万円・残り25年・年1.5%が続くと仮定すると、100万円を期間短縮型で繰り上げた場合の減る利息は439,228円、返済期間は17か月短くなります。返済額軽減型なら減る利息は199,755円、毎月の返済額は4,000円下がります(手数料0円、元利均等・毎月返済の場合)。
同じ100万円でも、残り10年なら期間短縮型で157,753円、年3%なら1,060,663円と、条件によって効果は数倍違います。以下では、残り期間・金利・残高をそれぞれ一つずつ変えて、どの条件が結果を大きく動かすかを見ていきます。表の金利はすべて計算のための仮の数字で、現在の金利水準や金融機関の提示金利ではありません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 方法 | 利息の合計 | 毎月の返済額 | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 繰上返済なし | 3,995,941円 | 79,988円 | 25年 |
| 期間短縮型 | 3,556,713円 | 79,988円 | 23年7か月 |
| 返済額軽減型 | 3,796,186円 | 75,988円 | 25年 |
残り期間別:長いほど期間短縮型の効果が大きい
残高2,000万円・年1.5%で、残りの返済期間だけを変えた結果です。
| 残り期間 | 期間短縮型:減る利息 | 短くなる期間 | 返済額軽減型:減る利息 | 月々の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 10年 | 157,753円 | 6か月 | 77,506円 | 8,979円 |
| 15年 | 245,090円 | 10か月 | 117,349円 | 6,207円 |
| 20年 | 338,763円 | 13か月 | 158,088円 | 4,826円 |
| 25年 | 439,228円 | 17か月 | 199,755円 | 4,000円 |
| 30年 | 546,964円 | 22か月 | 242,355円 | 3,452円 |
| 35年 | 662,412円 | 27か月 | 286,078円 | 3,061円 |
残り期間が長いほど、元金を減らした効果が続く期間も長くなるため、減る利息は大きくなります。返済額軽減型の月々の減少は逆に、残り期間が短いほど大きくなります。100万円を残りの回数で割り戻すため、回数が少ないほど1回あたりの減少が大きくなるからです。
金利別:金利が高いほど効果は大きく伸びる
次は残高2,000万円・残り25年で、金利だけを変えた結果です。
| 年利(仮定) | 期間短縮型:減る利息 | 短くなる期間 | 返済額軽減型:減る利息 | 月々の減少 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 129,592円 | 15か月 | 64,019円 | 3,546円 |
| 1.0% | 275,361円 | 16か月 | 130,593円 | 3,769円 |
| 1.5% | 439,228円 | 17か月 | 199,755円 | 4,000円 |
| 2.0% | 623,229円 | 19か月 | 271,607円 | 4,238円 |
| 3.0% | 1,060,663円 | 21か月 | 422,643円 | 4,742円 |
金利が高いほど、減る利息は大きく伸びます。年0.5%と年3.0%では、同じ100万円でも期間短縮型の効果が約8倍違います。変動金利で借りている場合、将来金利が上がれば、すでに実行した繰上返済の効果も後から大きくなる点は覚えておくとよいでしょう。逆に金利が下がれば効果は小さくなります。
残高による違いは意外に小さい
残り25年・年1.5%で、残高だけを1,000万円・2,000万円・3,000万円と変えると、期間短縮型で減る利息は423,399円・439,228円・444,632円とほとんど変わりません。返済額軽減型の月々の減少も3,999円・4,000円・3,999円で、ほぼ同じです。
大きく違うのは短くなる期間で、35か月・17か月・12か月となりました。毎月の返済額が残高1,000万円では39,994円、3,000万円では119,981円と違うため、同じ100万円でも「何回分の返済に当たるか」が変わるからです。残高が小さいローンほど、100万円で完済が早まる月数は大きくなります。
つまり、減る利息の大きさは主に「繰り上げる金額・金利・残り期間」で決まり、短くなる期間は毎月の返済額にも左右されます。他の人の体験談の数字をそのまま当てはめず、自分の条件で計算することが大切です。
手数料を差し引いた効果も確認する
繰上返済には手数料がかかる場合があります。全国銀行協会は、手数料が1回あたり無料から数万円まで違うことや、繰上返済できる金額に10万円以上・100万円以上などの制限を設けている場合があることを案内しています。
仮に手数料を33,000円とすると、残高2,000万円・残り25年・年1.5%での100万円の効果は、期間短縮型で406,228円、返済額軽減型で166,755円になります(減る利息から手数料を引いた額)。100万円規模なら手数料の影響は限られますが、少額を何度も繰り上げる場合は割合が大きくなります。手数料の額と、インターネットと窓口で違いがあるかは、自分の契約で確認してください。
同じ100万円をどちらの型に使うか:戻り方の違い
残高2,000万円・残り25年・年1.5%の例では、期間短縮型で減る利息(439,228円)は返済額軽減型(199,755円)の約2.2倍でした。全国銀行協会も、利息の軽減効果は期間短縮型のほうが大きいと説明しています。
一方で、返済額軽減型は100万円が毎月の負担の軽さとして戻ってくる形です。この例では月4,000円の減少が残り300回続くので、合計で約120万円になります。入れた100万円に、減る利息約20万円が上乗せされて少しずつ戻ってくるイメージです。期間短縮型では、毎月の返済額は変わらず、その効果は完済が17か月早まった時点でまとめて実感することになります。
教育費などで今後の毎月の支出が増えそうなら返済額軽減型、毎月の返済に余裕があり完済を早めたいなら期間短縮型、というように、全国銀行協会は家計の状況に応じた選び方を案内しています。どちらにするかは、減る利息の大きさと、毎月の家計の余裕を並べて決めることになります。
全国銀行協会の計算例と照らし合わせる
全国銀行協会のFP回答には、借入額2,500万円・35年・固定2.5%で、返済開始3年後に100万円を繰り上げる例が載っています。同じ条件を本サイトの計算方法で再現すると、毎月の返済額は89,374円、期間短縮型で減る利息は1,170,173円(24か月短縮)、返済額軽減型では453,708円・月3,786円の減少でした。
同協会の例では、期間短縮型で約116万円・2年短縮、返済額軽減型で約45万円・月3,785円の軽減とされており、おおむね一致します。毎月の返済額の1円未満の扱いや、期間短縮型の計算を月単位で行うかどうかの違いで、数円から1万円台の差が出ます。本サイトの端数処理は円未満の端数の扱いにまとめています。
全国銀行協会のFP回答の例と同じ条件を本サイトの計算方法で再現したものです。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 方法 | 利息の合計 | 毎月の返済額 | 返済期間 |
|---|---|---|---|
| 繰上返済なし | 12,536,606円 | 89,374円 | 35年 |
| 期間短縮型 | 11,366,433円 | 89,374円 | 33年 |
| 返済額軽減型 | 12,082,898円 | 85,588円 | 35年 |
自分の条件で100万円の効果を計算する
繰上返済シミュレーションに、現在の残高・残りの返済回数・適用金利を入力し、繰上返済額に100万円、手数料に契約上の金額を入れてください。期間短縮型と返済額軽減型の両方の結果が並び、減る利息・短くなる期間・月々の返済額を一度に確認できます。どちらの型が家計に合うかの考え方は期間短縮型で何年短くなるかと返済額軽減型で月々がいくら減るかで計算しています。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。