契約との違い

融資実行日と初回返済:金利が決まる時期と最初の引落額

住宅ローンの融資実行日(資金の受取日)と初回返済の関係を整理。【フラット35】の金利が資金受取時に決まる仕組みと、金利が0.1ポイント違う場合の返済額、初回の利息の考え方を計算します。

この記事のポイント

  • フラット35の借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利です。
  • 3,500万円・35年では、金利0.1ポイントの違いで毎月1,600円前後、総額は70万円近く変わります。
  • 初回の返済は借入れの翌月からが一般的で、日割りなら日数が長いほど初回の利息は大きくなります。
  • 資金計画は、想定より高い側の金利でも余裕があるかで判断します。

融資実行日の金利が適用される:フラット35は申込時ではなく資金受取時

融資実行日とは、住宅ローンの資金が実際に支払われる日(資金の受取日)のことです。【フラット35】のご利用条件では、借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利となり、資金の受取日は取扱金融機関の定める日とされています。つまり、申込みをした月の金利ではなく、資金を受け取る月の金利で返済額が決まります。

民間の住宅ローンで、どの時点の金利が適用されるかは商品や契約によって異なります。申込みから融資実行までの間に金利が変わる可能性があるかどうか、変わる場合にいつの金利が使われるかを、申込みの段階で確認しておくと資金計画を立てやすくなります。

融資実行日は、金利が決まる日であると同時に、利息がかかり始める日でもあります。この記事では、融資実行日をめぐって「どの金利が使われるか」と「最初の返済額がどうなるか」の2点を、計算例で確かめます。

金利が0.1ポイント違うと、返済額はいくら変わる?

計算例として、借入額3,500万円・35年・元利均等で、申込時に年1.0%(仮の値)を想定していた場合に、資金受取時の金利が0.1ポイント上下したときの返済額を比べます。

借入額3,500万円・35年の比較(仮の金利)
資金受取時の金利毎月の返済額想定との差(毎月)35年間の返済総額想定との差(総額)
年0.9%97,178円−1,622円40,814,160円−681,576円
年1.0%(想定)98,800円—41,495,736円—
年1.1%100,440円1,640円42,184,302円688,566円

0.1ポイントの違いで、毎月は1,600円前後、35年間では70万円近く変わります。申込時の金利だけで予算を組まず、少し高い金利でも返済を続けられるかを確かめておくことが大切です。逆に金利が下がれば返済額は小さくなりますが、下がることを前提に予算を組むと、上がった場合に家計が苦しくなります。資金計画は、想定より高い側の金利で余裕があるかで判断するのが安全です。

3,500万円・35年の利息の合計(資金受取時の金利別)
  1. 年0.9%581万円
  2. 年1.0%(想定)650万円
  3. 年1.1%718万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,500万円・35年の利息の合計(資金受取時の金利別)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
年0.9%97,178円40,814,160円5,814,160円
年1.0%(想定)98,800円41,495,736円6,495,736円
年1.1%100,440円42,184,302円7,184,302円

融資実行日はどう決まる?手続きの最後の段階

【フラット35】の新築住宅を購入する場合の手続では、竣工現場検査に合格して適合証明書が交付された後、適合証明書を取扱金融機関に提出し、借入れの契約を結んで資金を受け取ります。同時に抵当権の設定手続を行い、火災保険にも加入します。融資実行は、住宅ローンの手続きの最後の段階です。

新築住宅では、建物の完成時期によって融資実行日が決まるため、工期が延びればその分だけ融資実行日も後ろにずれ、適用される金利の時期も変わります。注文住宅で完成前に支払いが必要な場合のつなぎ融資についてはつなぎ融資とはで計算しています。

中古住宅やマンションの購入では、売主への残代金の支払いと融資実行の日程の関係を、取引ごとに不動産会社や金融機関に確認します。日程が決まったら、その日にどの支払いと手続きが行われるかを事前に説明してもらい、必要な書類と現金を準備しておきましょう。日程が月末か月初かで、初回の返済日までの日数が変わることもあります。

初回の返済はいつ?通常は借入れの翌月から

全国銀行協会の解説では、住宅ローンを借りて住宅を購入した場合、借入れの翌月から毎月支払いを行うのが一般的とされています。毎月の返済日は契約で決まり、融資実行日から最初の返済日までの日数は、融資実行日が月のどの時期かによって変わります。

全国銀行協会の返済シミュレーションも、実際の返済額はお借入れの時期(ボーナス月までの月数など)や銀行によって異なると注記しています。初回の返済日と金額は、契約書と返済予定表で必ず確認してください。

初回の利息は日数で変わることがある

本サイトの計算は、毎月の利息を「残高×年利÷12」(1円未満切捨て)で求めています。借入額3,500万円・年1.0%なら、1回目の利息は29,166円、元金は69,634円です。実際の初回は、融資実行日から初回の返済日までの日数で利息を計算する契約もあります。

借入額3,500万円・年1.0%を日割り(1年365日)で計算した場合
融資実行日から初回返済日までの日数利息
30日28,767円
45日43,150円
60日57,534円

日数が長いと、初回の利息は通常の月より大きくなります。この表は計算の考え方を示す例で、初回の利息を日割りで計算するか、どの日数で計算するか、初回の返済額にどう反映するかは契約によって異なります。

融資実行日の前後で準備しておくお金

融資実行日には、住宅ローンの資金の受取りと同時に、頭金の残り、登録免許税や司法書士報酬、火災保険料などの支払いが重なることがあります。これらは住宅ローンの資金とは別に現金で用意する必要があるものが多いため、事前に金額と支払先を一覧にしておきます。

また、初回の返済日には返済用の口座に初回の返済額が入っている必要があります。初回の利息が日数によって大きくなる契約では、通常の月より多めの金額を入れておくと安心です。必要な現金の全体は住宅購入で必要な現金で整理しています。

申込みから融資実行までに確認すること

  • 適用される金利がいつの時点のものか(【フラット35】は資金受取時)
  • 融資実行日の予定と、工期の遅れなどでずれた場合の扱い
  • 初回の返済日と、初回の利息の計算方法
  • 融資実行日に支払う諸費用と、その支払方法

手続きの流れ全体は事前審査から融資実行までの流れで、【フラット35】の金利が決まる時期はフラット35の金利はいつ決まる?で解説しています。

金利が変わった場合の返済額をツールで確かめる

金利上昇シミュレーションに借入額・返済期間を入れ、申込時に想定している金利を「現在の金利」、少し高い金利を「比べたい金利」にすると、融資実行時に金利が上がった場合の毎月の差と総額の差を確認できます。年別・月別の返済表では、1回目の利息と元金の内訳も見られます。

本サイトの計算は、毎月の利息を残高×年利÷12で求め、初回も通常の月と同じに扱います。初回の利息を日割りで計算する契約では、1回目の金額が表示と違うことがありますが、2回目以降の返済額や総額の比較には、この計算で十分な目安が得られます。金融機関から返済予定表を受け取ったら、2回目以降の金額が計算と一致するかを確かめてください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。