諸費用と契約

住宅ローンの事前審査・本審査の流れ:申込みから融資実行まで

住宅ローンの申込みから審査結果、物件検査、契約、資金の受取りまでの流れを【フラット35】の新築住宅購入の手続で整理。必要書類と、返済予算から借入希望額を確かめる計算例も示します。

この記事のポイント

  • 手続きは申込み→審査→契約→資金の受取りの順で、フラット35の審査結果は1〜2週間程度が目安です。
  • 事前審査の有無や扱いは金融機関ごとに異なるため、どの結果が正式な承認かを確認します。
  • フラット35の総返済負担率は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。
  • 返済予算11万円・35年では、金利1.5%と2.0%で元金の目安に2,719,791円の差が出ます。

住宅ローンの手続きの全体像:申込み→審査→契約→資金の受取り

住宅ローンの手続きは、おおまかに「借入れの申込み」「審査」「契約」「資金の受取り(融資の実行)」の順に進みます。ここでは、住宅金融支援機構が公開している【フラット35】の新築住宅を購入する場合の一般的な手続を例に、各段階で何をするかを整理します。物件検査の申請と借入れの申込みの順序は問わないとされています。

【フラット35】新築住宅を購入する場合の一般的な流れ
段階主に行う人内容
設計検査事業主等検査機関に申請し、合格の通知を受け取る
借入れ・団信の申込み本人取扱金融機関へ申込み、団信の種類を選ぶ
審査結果の連絡取扱金融機関申込みから1〜2週間程度(目安)
中間現場検査事業主等工事の途中に検査(マンションは不要)
竣工現場検査事業主等合格すると適合証明書が交付される
契約・資金の受取り本人登記・抵当権の設定・火災保険への加入も行う

期間は目安で、進捗の期限ではないとされています。

事前審査と本審査:呼び方と扱いは金融機関ごとに確認

住宅ローンでは、売買契約の前などに借入れの見込みを確かめる「事前審査(仮審査)」と、正式な申込み後の「本審査」という言葉がよく使われます。ただし、事前審査を行うかどうか、どの書類で何を確認するか、結果がどこまで最終的な判断につながるかは、金融機関によって異なります。この記事で確認した機構の資料には、事前審査の手続きは書かれていません。

【フラット35】の手続では、物件検査に合格しても、取扱金融機関または住宅金融支援機構の審査の結果によっては希望にそえない場合があるとされています。また、融資率が9割を超える場合は、返済の確実性等をより慎重に審査するとされています。どの段階の結果が「正式な承認」なのかを、申込先に確認しておくことが大切です。

申込みで求められる主な書類

【フラット35】の案内では、取扱金融機関で共通して必要となる書類として、次のものが挙げられています。

  • 借入申込書と、今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書
  • 所得を証明する書類(申込年の前年・前々年の公的収入証明書。給与所得のみの人は住民税課税証明書など)
  • 売買金額が確認できる書類(売買契約書の写し)
  • 住宅の登記事項証明書(申込時に竣工している場合)と、土地の登記事項証明書

前年の証明書は源泉徴収票で申し込める場合がありますが、その場合は資金の受取りの手続を始める前に公的収入証明書を出す必要があります。住民票や重要事項説明書の写しなどが別に必要になることもあり、審査の途中で給与明細の写しなどの追加提出を求められる場合もあるとされています。

審査で見られる数字:総返済負担率

【フラット35】の申込要件には、年収に占める年間の合計返済額の割合(総返済負担率)の基準があります。年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下です。ここでの「すべての借入れ」には、【フラット35】のほか、ほかの住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードのキャッシング、分割払い・リボ払いでの購入を含む)などが含まれます。

申込書と一緒に、住宅取得以外の借入れの申出書を出すのはこのためです。車のローンやリボ払いの残高があると、同じ年収でも住宅ローンに回せる返済額は小さくなります。計算方法は返済負担率の計算方法で詳しく説明しています。

申込みの前に整えておきたいこと

【フラット35】の申込要件では、申込時の年齢が満70歳未満であること(親子リレー返済を利用する場合を除く)や、申込みができるのは連帯債務者を含めて2名までであることなどが定められています。収入を合算する場合は、合算する人の書類も必要です。

年収は原則として申込年の前年の収入を証明する公的証明書の金額で判断しますが、公的証明書の通知や発行を受けられない時期(1月〜5月頃)に申し込む場合は、金融機関により取扱いが異なることがあるとされています。申込みの時期が年明けから春にかかる場合は、どの年の証明書が使えるかを先に確認しておくと、手続きが滞りにくくなります。

申込み前に、返済予算から借入希望額を確かめる

審査の基準を満たすかどうかとは別に、毎月いくらまでなら無理なく返せるかを先に決めておくと、借入希望額を考えやすくなります。計算例として、毎月の返済予算を110,000円、返済期間35年とすると、金利年1.5%(仮の値)なら元金の目安は35,926,058円、年2.0%なら33,206,267円で、金利が0.5ポイント違うだけで2,719,791円の差が出ます。

毎月の返済予算110,000円・35年の場合
金利(仮の値)元金の目安3,800万円を借りた場合の毎月の返済額
年1.5%35,926,058円116,351円
年2.0%33,206,267円125,880円

逆に3,800万円を借りるなら、年1.5%で毎月116,351円、年2.0%で125,880円となり、どちらも予算の110,000円を超えます。審査に通る金額と、家計で返せる金額は同じではない点に注意してください。

毎月11万円・35年で返せる元金の目安(金利別)
  1. 金利1%3,897万円
  2. 金利1.5%3,593万円
  3. 金利2%3,321万円
  4. 金利2.5%3,077万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
毎月11万円・35年で返せる元金の目安(金利別)
金利元金の目安総返済額利息の合計
金利1%38,967,613円46,199,751円7,232,138円
金利1.5%35,926,058円46,199,717円10,273,659円
金利2%33,206,267円46,199,703円12,993,436円
金利2.5%30,769,642円46,199,676円15,430,034円

金利が決まるのは資金の受取時:申込みから時間がかかる場合

【フラット35】のご利用条件では、借入金利は申込時ではなく資金受取時の金利となり、資金の受取日は取扱金融機関の定める日とされています。新築住宅の購入では、竣工現場検査に合格して適合証明書が交付された後に契約と資金の受取りが行われるため、建物の工事期間によっては、申込みから資金の受取りまでに時間がかかります。

その間に金利が変わると、毎月の返済額も変わります。申込時の金利だけで資金計画を固めず、少し高い金利でも返せるかを前の表のように確かめておくと安心です。資金の受取日と初回返済の関係は融資実行日と初回返済で計算しています。

契約から入居まで:最後の段階で行うこと

【フラット35】の新築住宅購入の手続では、事業主等から受け取った適合証明書を取扱金融機関に提出し、借入れの契約を結んで資金を受け取ります。同時に抵当権の設定手続を行い、返済終了までの間の火災保険に加入します。その後、入居となります。

この段階では、印紙税、登録免許税、司法書士報酬、火災保険料などの諸費用の支払いも重なります。返済予算から借入額を確かめるには、返済予算からの逆算に毎月の返済予算・返済期間・基準の金利と比べたい金利を入れてください。諸費用は住宅ローンの諸費用一覧で整理できます。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。