諸費用と契約

住宅ローンの印紙税はいくら?金銭消費貸借契約書の税額表

住宅ローンの金銭消費貸借契約書にかかる印紙税を、国税庁の税額表(令和8年4月1日現在法令等)で借入額別に整理。売買契約書・工事請負契約書の軽減税額との違いも確認します。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの契約書は第1号文書で、記載金額1千万円超5千万円以下なら1通2万円です。
  • 5,000万円ちょうどは2万円、5,001万円なら6万円で、境目を超えると4万円増えます。
  • 売買契約書・工事請負契約書は令和9年3月31日までの作成分について軽減後の税額が使えます。
  • 注文住宅の計算例では、土地・建物・ローンの3通で印紙税は合計4万円です。

住宅ローンの印紙税は、借入額1千万円超5千万円以下なら2万円

住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)は、印紙税の税額表で「消費貸借に関する契約書」(第1号文書)にあたります。国税庁の税額表(令和8年4月1日現在法令等)では、記載された契約金額が1千万円を超え5千万円以下なら1通につき2万円、5千万円を超え1億円以下なら6万円です。

たとえば借入額3,500万円の契約書なら2万円です。印紙税は返済額には含まれないので、契約時に別に用意する諸費用として考えます。全国銀行協会の返済シミュレーションでも、契約時には収入印紙代や手数料、保証料などが別に必要となる場合があると注記されています。

全国銀行協会の諸費用の解説でも、印紙税は売買契約書や建設工事請負契約書、住宅ローン申込時の金銭消費貸借契約書などに貼付する税金として、住宅取得の代表的な税金の最初に挙げられています。金額は大きくありませんが、契約書ごとに必要になるため、契約の数だけ積み上がる点に注意します。

金銭消費貸借契約書の税額表(第1号文書)

記載された契約金額と印紙税額(1通または1冊につき)
記載された契約金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円を超え50万円以下400円
50万円を超え100万円以下1千円
100万円を超え500万円以下2千円
500万円を超え1千万円以下1万円
1千万円を超え5千万円以下2万円
5千万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
契約金額の記載のないもの200円

税額は「1通または1冊につき」です。5億円を超える区分は住宅ローンではまず関係しないため省略しています。出典は国税庁タックスアンサーNo.7140です。

消費貸借の契約書の印紙税額(記載金額別)
  1. 500万円超1千万円以下1万円
  2. 1千万円超5千万円以下2万円
  3. 5千万円超1億円以下6万円
  4. 1億円超5億円以下10万円

1通または1冊あたりの税額。1千万円以下の区分の一部と5億円超は省略。
出典:国税庁:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

グラフの数値を表で見る
消費貸借の契約書の印紙税額(記載金額別)
項目値
500万円超1千万円以下1万円
1千万円超5千万円以下2万円
5千万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円

借入額別の早見:5,000万円と5,001万円で4万円違う

借入額(記載金額)別の印紙税額
借入額印紙税額
800万円10,000円
1,000万円10,000円
1,500万円20,000円
2,500万円20,000円
3,500万円20,000円
5,000万円20,000円
5,001万円60,000円
6,000万円60,000円
1億円60,000円
1億2,000万円100,000円

区分は「以下」と「超え」で区切られているため、1,000万円ちょうどは1万円、5,000万円ちょうどは2万円です。5,000万円を1万円でも超えると6万円になります。借入額を決める段階で境目の近くにいる場合は、税額の違いも諸費用の見積りに反映しておきます。

税額は見積書の借入額ではなく、契約書に書かれた契約金額で判定します。審査の結果や物件価格の変更で借入額が変わった場合は、最終的な契約書の金額で区分を確かめ直してください。借入額を4万円の差のために変えるべきかどうかは、返済額や手元資金への影響と合わせて考える話で、印紙税だけで決めるものではありません。

売買契約書・工事請負契約書は軽減後の税額が使える

住宅購入では、ローン契約書のほかに不動産の売買契約書や建設工事の請負契約書を作ることがあります。国税庁のNo.7108によると、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書(記載金額10万円超)と建設工事の請負に関する契約書(記載金額100万円超)は、税額が軽減されています。

不動産の譲渡に関する契約書:本則と軽減後の税額
記載金額本則の税額軽減後の税額
3,000万円2万円1万円
4,500万円2万円1万円
6,000万円6万円3万円

軽減措置の対象として案内されているのは不動産の譲渡や建設工事の請負に関する契約書で、ローン契約書(消費貸借に関する契約書)は先の税額表で判定します。

不動産の譲渡に関する契約書の軽減後の税額
  1. 1,000万円超5,000万円以下1万円
  2. 5,000万円超1億円以下3万円
  3. 1億円超5億円以下6万円

平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される契約書が対象。
出典:国税庁:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

グラフの数値を表で見る
不動産の譲渡に関する契約書の軽減後の税額
項目値
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円
1億円超5億円以下6万円

住宅購入全体では印紙税はいくら?注文住宅の計算例

注文住宅で土地を買って家を建てる場合、土地の売買契約書、建物の工事請負契約書、住宅ローンの契約書と、少なくとも3種類の契約書に印紙税がかかることがあります。計算例として、土地1,500万円、建物の工事3,000万円、借入れ3,800万円とすると、次のとおりです。

注文住宅の印紙税の計算例(令和9年3月31日までに作成する契約書)
契約書記載金額印紙税額
土地の売買契約書1,500万円1万円(軽減後)
建物の工事請負契約書3,000万円1万円(軽減後)
住宅ローンの契約書3,800万円2万円
合計—4万円

売買契約書や請負契約書を何通作り、誰の分に印紙を貼るかは契約の当事者間で決まるため、不動産会社や建築会社の案内で確認してください。軽減後の税額が使えるのは、令和9年3月31日までに作成される契約書です。

ペアローンなど契約書が2通になる場合

印紙税は契約書1通ごとに、その契約書に書かれた金額で判定します。たとえば夫婦がそれぞれ別の契約で2,500万円と1,500万円を借り、契約書が2通作成されれば、どちらも1千万円超5千万円以下の区分で2万円ずつ、合計4万円です。1人で4,000万円を借りる契約書1通なら2万円です。

実際に何通の契約書を作成し、印紙税を誰が負担するかは金融機関の案内で確認してください。ペアローンの仕組みは連帯債務・連帯保証・ペアローンで整理しています。

借り換えでも新しい契約書に印紙税がかかる

借り換えは新しい金融機関と改めてローン契約を結ぶため、新しい契約書について同じ税額表で印紙税を判定します。残高2,800万円を借り換え、契約書の記載金額も2,800万円なら2万円です。借り換え費用の内訳は借り換え諸費用の内訳、新規の諸費用全体は住宅ローンの諸費用一覧にまとめています。

電子契約など契約書の作り方によって扱いが変わるかどうかは、この記事で確認した資料には書かれていません。契約方法が決まったら、金融機関や税務署に確認してください。

借り換えでは、新しい契約書の印紙税のほか、新しい抵当権の設定登記や融資手数料なども同時に発生します。印紙税だけを見ると小さな金額でも、諸費用の一部として合計に入れておくと、借り換えの効果を過大に見積もらずに済みます。

印紙税を諸費用に入れて比べる

印紙税は数万円の項目ですが、手数料や登記費用と合わせて「最初に払うお金」に含めておくと、比較の漏れを防げます。借り換えを検討している場合は、借り換えの比較の「借り換え諸費用の合計」に印紙税を含めた合計額を入れてください。新規借入れの毎月の返済額は金利上昇シミュレーションで、借入額・返済期間・金利を入れて確認できます。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。