この記事のポイント
- 3,000万円・35年で保証料を0.2ポイント上乗せすると、毎月2,738円、総額1,150,221円増えます。
- 最後まで返すなら、一括前払いがこの増加額より少なければ一括の方が総額は小さくなります。
- 25年返済なら総額の差は802,420円で、返済期間が短いほど上乗せの負担は小さくなります。
- 上乗せ分は前半に多く、10年で完済すれば増える利息は533,393円にとどまります。
一括前払いと金利上乗せ、総額の差はいくら?
計算例として、借入額3,000万円・35年・金利年0.7%の住宅ローンで、保証料を金利に0.2ポイント上乗せする方法(年0.9%)を考えます。毎月の返済額は80,557円から83,295円へ2,738円増え、35年間の返済総額は1,150,221円増えます。
したがって、同じ保証を一括前払いで受けられる場合、その金額が1,150,221円より少なければ、最後まで返す前提では一括前払いの方が総額は小さくなります。仮に一括前払いが60万円なら、差は550,221円です。ただし、途中で完済すると結果が変わります。上乗せ幅・一括の金額は説明用の仮の値です。
一括前払いの場合の保証料は含みません。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 年0.7%(一括前払いの場合の金利) | 80,557円 | 33,833,338円 | 3,833,338円 |
| 年0.9%(0.2ポイント上乗せ) | 83,295円 | 34,983,559円 | 4,983,559円 |
保証料とは:連帯保証人の代わりに保証会社へ払う費用
全国銀行協会の解説では、保証料は連帯保証人を立てない代わりに保証会社に保証人になってもらうために支払うもので、金融機関等の指定する保証会社によって金額が異なるとされています。【フラット35】のご利用条件(2026年4月1日現在)では、保証人も保証料も必要ありません。
保証料を一括前払いと金利上乗せのどちらで払えるか、両方から選べるかは契約によって異なります。また保証料がかからない商品でも、別の手数料が設定されていることがあるため、融資手数料とあわせて費用の全体を見ます。
保証料の比較で混乱しやすいのは、金利に上乗せされた分が見積書の「金利」欄にまとめて表示されることがある点です。表示された金利に保証料相当分が含まれているのか、別に一括で払うのかを確かめずに他行の金利と比べると、同じ条件どうしの比較になりません。見積書の注記や説明書で、金利の内訳を確認してください。
金利上乗せの総額は返済期間で変わる
| 返済期間 | 毎月の返済額の差 | 総返済額の差 |
|---|---|---|
| 35年 | 2,738円 | 1,150,221円 |
| 25年 | 2,674円 | 802,420円 |
同じ0.2ポイントでも、25年返済なら総額の差は802,420円で、35年より約35万円小さくなります。期間が短いほど残高が早く減り、上乗せ分の利息がかかる元金が少なくなるためです。一括前払いの金額が返済期間によって変わるかどうかも見積りで確かめ、比べるときは同じ返済期間の見積りどうしで並べてください。
毎月の差が2,738円と2,674円でほとんど変わらないのに総額の差が大きく違うのは、払う回数が420回と300回で違うためです。月々の増え方だけを見ると上乗せの重さを小さく感じやすいので、総額と並べて確認します。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。
グラフの数値を表で見る
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | 利息の合計 |
|---|---|---|---|
| 35年・年0.7% | 80,557円 | 33,833,338円 | 3,833,338円 |
| 35年・年0.9% | 83,295円 | 34,983,559円 | 4,983,559円 |
| 25年・年0.7% | 109,035円 | 32,710,069円 | 2,710,069円 |
| 25年・年0.9% | 111,709円 | 33,512,489円 | 3,512,489円 |
借入額別:一括前払いがいくらまでなら総額で少ない?
上乗せ方式の総額の増加分は、そのまま「一括前払いの損益分岐の金額」の目安になります。返済期間35年、上乗せ前0.7%・上乗せ後0.9%で、借入額だけを変えると次のとおりです。
| 借入額 | 毎月の増加 | 35年間の総額の増加 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,825円 | 766,825円 |
| 3,000万円 | 2,738円 | 1,150,221円 |
| 4,000万円 | 3,651円 | 1,533,599円 |
たとえば4,000万円を借りる見積りで一括前払いの保証料が153万円台より少なければ、最後まで返す前提では一括の方が総額は小さくなる計算です。ただし、この比較はお金を払う時期の違い(最初に払うか、35年かけて払うか)を考えていません。手元資金を運用や予備費に回せる価値をどう考えるかは、家計ごとに異なります。
10年で完済・借り換えしたら?上乗せ分は前半に多い
上乗せ方式の負担は、残高が大きい最初の数年に集中します。35年返済の例で、最初の5年間に増える利息は283,961円、10年間では533,393円です。10年後に完済・借り換えをするなら、上乗せ方式で払った分は533,393円にとどまり、一括で60万円払っていた場合より少なくなります。
一括前払いの保証料は、途中で完済したときに一部が戻る契約もあれば、戻らない契約もあります。返戻の有無と計算方法は保証委託契約や金融機関の説明で確認し、分からない間は「戻らない」と「戻る」の両方で比べておくと判断を誤りにくくなります。借り換え時の費用は借り換え諸費用の整理も参照してください。
手元資金への影響も比べる
総額だけでなく、お金が出ていく時期も違います。一括前払いは借入時に数十万円単位の現金が必要になり、その分だけ引越しや家具、予備資金に回せるお金が減ります。上乗せ方式は最初の負担がない代わりに、毎月2,738円(この例)が35年間続きます。
一括前払い分を借入れに含められる場合は、元金が増えた分の利息もかかります。住宅購入時に必要な現金の全体は住宅購入で必要な現金で整理できます。
一括で払った保証料は、払った時点で手元から消えるお金です。一方、上乗せ方式の毎月の増加分は、繰上返済や借り換えで残高が減れば小さくなり、完済すればなくなります。手元資金に余裕がない時期に大きな一括払いをするか、毎月少しずつ払うかは、総額の差と合わせて家計の事情で考える部分です。
見積書で確認すること
- 保証料の払い方(一括前払い・金利上乗せ)と、選べるかどうか
- 一括前払いの金額と、返済期間・借入額による違い
- 金利上乗せの幅と、上乗せ後の適用金利
- 途中で完済・借り換えした場合の返戻の有無と計算方法
- 保証料とは別に融資手数料がかかるか
条件は商品・時期によって異なるため、ここでの数値を当てはめず、提示された見積りで計算し直してください。
確認した内容は「一括前払いの金額」「上乗せ幅」「返戻の有無」の3つに要約しておくと、複数の見積りを並べやすくなります。返戻がある場合は、いつ完済したらいくら戻るのかの計算例を書面で受け取れるか尋ねてみるのも一つの方法です。
自分の見積りで差を出す
金利上昇シミュレーションに借入額・返済期間を入れ、上乗せ前の金利を「現在の金利」、上乗せ後の金利を「比べたい金利」とすると、総額の差が表示されます。その差と一括前払いの金額を比べれば、払い切った場合の有利不利が分かります。年別の返済表で最初の10年間の利息の差を合計すれば、10年で完済する場合の比較もできます。途中で借り換える想定は借り換えの比較で、残高と費用を入れて確認してください。
参照した情報
本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。