借り換え

借り換え諸費用の内訳:手数料・保証料・登記・印紙税を整理

住宅ローンの借り換えでかかる諸費用を、融資手数料・保証料・印紙税・登録免許税・司法書士報酬・完済時の費用に分けて整理。印紙税の税額表と、費用の額で効果がどう変わるかの計算例も示します。

この記事のポイント

  • 借り換えでは新規借入れとほぼ同じ費用に加え、今のローンを完済する費用もかかる
  • 借入額2,500万円の金銭消費貸借契約書の印紙税は、1千万円超5千万円以下の区分で2万円
  • 月々の差は費用にかかわらず同じだが、総額の効果は費用の分だけ小さくなる
  • 保証料などを二通りの形で数えないよう、見積書の項目を分けて合計する

借り換えでかかる主な費用の一覧

借り換えは、今のローンを完済して新しいローンを組む手続きなので、新規の借入れとほぼ同じ種類の費用がかかり、さらに今のローンを完済するための費用も加わります。公的機関などの資料に出てくる主な項目は次のとおりです。

  • 新しいローンの契約に関する費用:融資手数料(事務手数料)、保証料、金銭消費貸借契約書に貼る印紙税
  • 登記に関する費用:新しい抵当権の設定登記と、今の抵当権の抹消登記にかかる登録免許税、司法書士報酬
  • 今のローンを完済する費用:繰上返済手数料、経過利息
  • その他:物件の検査が必要な場合の検査手数料、新たに火災保険・地震保険に加入する場合の保険料

住宅金融支援機構の【フラット35】借換融資では、借入額に含めることができる諸費用として、印紙税、融資手数料、抵当権の設定・抹消の登録免許税と司法書士報酬、物件検査手数料、借換前のローンの繰上返済手数料と経過利息、火災保険料・地震保険料(新規契約の場合)が挙げられています。全国銀行協会のFP回答では、保証料・登録免許税・司法書士手数料・印紙代などで一般的に50万〜70万円程度とされています。

印紙税:金銭消費貸借契約書の税額

新しいローンの金銭消費貸借契約書には、記載された契約金額に応じた印紙税がかかります。国税庁の印紙税額の一覧表(令和8年4月1日現在法令等)による、消費貸借に関する契約書の主な税額は次のとおりです。

消費貸借に関する契約書の印紙税(抜粋)
記載された契約金額税額
100万円を超え500万円以下2千円
500万円を超え1千万円以下1万円
1千万円を超え5千万円以下2万円
5千万円を超え1億円以下6万円

たとえば借り換えの借入額が2,500万円なら、表の「1千万円を超え5千万円以下」に当たり、税額は2万円です。契約書の作り方や、印紙税を誰がどのように負担するかは、金融機関に確認してください。

消費貸借に関する契約書の印紙税(抜粋)
  1. 100万円を超え500万円以下2,000円
  2. 500万円を超え1千万円以下10,000円
  3. 1千万円を超え5千万円以下20,000円
  4. 5千万円を超え1億円以下60,000円

出典:国税庁:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

グラフの数値を表で見る
消費貸借に関する契約書の印紙税(抜粋)
項目値
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1千万円以下10,000円
1千万円を超え5千万円以下20,000円
5千万円を超え1億円以下60,000円

登録免許税と司法書士報酬

借り換えでは、新しいローンのための抵当権の設定登記と、今のローンの抵当権の抹消登記が必要になります。どちらにも登録免許税がかかり、手続きを司法書士に依頼すれば報酬もかかります。【フラット35】借換融資の場合も、住宅金融支援機構を抵当権者とする第1順位の抵当権を設定する必要があり、その費用(登録免許税、司法書士報酬など)は借りる人の負担と案内されています。

国税庁の登録免許税の税額表(令和8年4月1日現在法令等)では、個人が住宅用家屋を新築・取得して自分が住む場合の、その資金の貸付けに係る抵当権の設定登記について、令和9年3月31日までの登記は1,000分の1の軽減税率が示されています。ただし、床面積50平方メートル以上や、新築・取得後1年以内の登記などの要件があります。借り換えのための新しい借入れがこの軽減の対象になるかどうかは、この表だけでは判断できないため、依頼する司法書士や法務局に確認してください。抹消登記の登録免許税の額も、あわせて確認が必要です。

融資手数料と保証料:金額の決まり方が違う

全国銀行協会は、融資手数料は住宅ローンを申し込む際の事務手数料で、金融機関によって金額や徴収方法が異なると説明しています。保証料は、連帯保証人を立てる代わりに保証会社に保証人になってもらうための費用で、金融機関が指定する保証会社によって金額が異なります。

保証料をいつ・どのように払うかは契約によって異なります。見積書で、保証料が別途払う費用として書かれているのか、ほかの形で負担する仕組みなのかを確認してください。同じ費用を二通りの形で数えてしまうと、比較が不正確になります。【フラット35】借換融資では保証料と繰上返済手数料は不要とされ、融資手数料は取扱金融機関によって異なり、技術基準への適合を確認するための物件検査手数料が必要になる場合があります。

今のローンを完済するときの費用

借り換えでは、今のローンを全額繰上返済します。このとき、契約によっては繰上返済の手数料がかかります。全国銀行協会は、繰上返済の手数料は1回あたり無料から数万円まで違うと案内しています。また、完済日までの経過利息も必要です。計算方法は金融機関に確認してください。

今のローンで保証料を前払いしている場合、完済に伴って戻るお金があるかどうか、あるならいくらかは、契約と保証会社に確認が必要です。本サイトの計算では、戻ってくるかどうかわからないお金を先に費用から差し引くことはしません。確定した金額がわかってから、比較に反映してください。費用の二重計上を避ける整理の仕方は借り換え諸費用の整理で解説しています。

費用の額で借り換えの効果はどう変わるか

計算例として、残高2,500万円・残り20年・年1.5%のローンを、同じ20年・年1.0%(いずれも仮定)に借り換える場合、毎月の返済額は120,637円から114,974円へ5,663円下がり、減る利息は1,359,048円です。ここから諸費用を差し引くと、総額の差は次のようになります。

残高2,500万円・残り20年・年1.5%→年1.0%の場合
諸費用の合計総額の差(借り換え後−現在)
0円−1,359,048円
30万円−1,059,048円
60万円−759,048円
90万円−459,048円
120万円−159,048円

毎月の返済額の差は費用にかかわらず同じですが、総額の効果は費用の分だけ小さくなります。また、諸費用60万円を現金で払わずに借入れに含めて2,560万円を借りると、毎月の返済額は117,733円になり、利息が62,256円増えます。費用を借入れに含めるかどうかでも総額は変わります。

2,500万円・残り20年・1.5%→1.0%(諸費用60万円)
  1. 今のローンを継続2,895万円
  2. 借り換え(諸費用込み)2,819万円

元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
2,500万円・残り20年・1.5%→1.0%(諸費用60万円)
毎月の返済額支払総額
今のローンを継続120,637円28,952,556円
借り換え(諸費用込み)114,974円28,193,508円

見積書の費用を入れて比べる

見積書の項目を「新しいローンの契約」「登記」「今のローンの完済」「その他」に分けて書き出し、合計額を確認したら、借り換えシミュレーションの「借り換え諸費用の合計」に入力してください。ツールは費用を借り換え時に別途支払う前提で計算します。費用を借入れに含める場合は、借り換え後の借入額を増やした条件で金利上昇シミュレーションなどを使い、別に確かめてください。目安とされる金利差との関係は借り換えの目安「金利差1%」の検証で計算しています。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。