税と控除

住宅ローン控除の床面積要件:50㎡と40㎡の違い

住宅ローン控除の床面積は原則50㎡以上ですが、40㎡以上50㎡未満でも条件付きで対象になります。所得の上限、子育て世帯の上乗せが使えない点、登記上の面積の測り方を3200万円の例で解説します。

この記事のポイント

  • 床面積は原則50㎡以上で、40㎡以上50㎡未満は合計所得金額1,000万円以下の年に限り対象になります。
  • 2026年以降に40㎡台の認定住宅等へ入居すると、子育て世帯・若者夫婦世帯の上乗せは使えません。
  • 床面積は登記上の面積で判断し、マンションは共用部分を含まない専有部分の面積です。
  • 3200万円の省エネ基準適合住宅の例では、上乗せの有無で13年間の控除額に591,900円の差が出ます。

原則は50㎡以上。40㎡台は所得1,000万円以下などの条件付き

住宅ローン控除の床面積要件は、原則として50平方メートル以上で、床面積の2分の1以上を自分の住まいとして使うことです。この場合の所得要件は、控除を受ける年分の合計所得金額2,000万円以下です。国税庁 No.1211-1・No.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)では、40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅も、次の条件で対象になるとしています。

  • 新築等の認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合住宅(特例認定住宅等):合計所得金額1,000万円以下の年に限り対象。
  • 新築等のその他の住宅(特例居住用家屋):令和5年12月31日以前に建築確認を受けたものに限り、合計所得金額1,000万円以下の年に対象。
  • 中古住宅(特例既存住宅):合計所得金額1,000万円以下の年に限り対象。

さらに、2026年1月1日以降に40㎡台の認定住宅等に入居した場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯への控除限度額の上乗せが使えません。計算例として、3200万円・35年・金利1%の新築の省エネ基準適合住宅に特例対象個人が2026年に入居すると、50㎡以上なら13年間の控除額の合計は2,411,900円、40㎡台なら上乗せがなく1,820,000円で、591,900円の差になります。

床面積と所得・上乗せの組み合わせを表で確認

住宅ローン控除の床面積と所得要件・上乗せの関係(国税庁 No.1211-1・No.1211-3、国土交通省の説明をもとに整理)
床面積合計所得金額の上限子育て世帯等の上乗せ(2026年以降の入居)主な注意点
50㎡以上2,000万円以下対象原則の要件
40㎡以上50㎡未満(新築の認定住宅等)1,000万円以下使えない省エネ性能の区分の証明が必要
40㎡以上50㎡未満(新築のその他の住宅)1,000万円以下—令和5年末までの建築確認が条件
40㎡以上50㎡未満(中古住宅)1,000万円以下認定住宅等は使えない築年・耐震の要件は共通

国土交通省は令和8年度税制改正の要点として、床面積要件を新築・既存住宅ともに40㎡以上に緩和し、合計所得金額1,000万円超の人と子育て世帯等への上乗せを使う人は50㎡以上とまとめています。40㎡台の住宅では、所得の上限が半分になることと、上乗せが使えないことの2点をセットで覚えておきましょう。

床面積は「登記上の面積」で判断する

床面積の判定方法も国税庁が示しています。広告や間取り図の面積ではなく、次の基準で判断します。

  • 登記事項証明書の床面積:登記事項証明書に表示されている床面積で判断します。
  • マンションは専有部分:階段や通路などの共用部分は含めず、登記上の専有部分の床面積で判断します。
  • 店舗併用住宅は建物全体:店舗や事務所の部分も含めた建物全体の床面積で判断し、そのうち2分の1以上を自分の住まいに使う必要があります。
  • 共有の住宅は持分を掛けない:夫婦や親子で共有していても、ほかの人の持分を含めた建物全体の床面積で判断します(区分所有のマンションは専有部分)。

物件資料の面積が登記と同じ基準で測られているとは限りません。50㎡前後の物件を検討するときは、登記上の床面積がいくつになるかを契約前に売主や仲介会社に確認しておくと安心です。

40㎡台の住宅で控除を受けるときの書類

確定申告では、登記事項証明書などで床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満であることを示します。新築の「その他の住宅」で特例居住用家屋に当たる場合は、令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証する確認済証の写しまたは検査済証の写しも必要です。認定住宅等として控除を受けるなら、ほかの面積の住宅と同じく、区分を示す証明書(住宅省エネルギー性能証明書など)を添付します。

登記事項証明書は、計算明細書に不動産番号を記載すれば添付を省略できます。面積の要件は控除を受ける年ごとではなく住宅そのものの条件ですが、所得の上限(1,000万円以下)は年ごとに判定される点が50㎡以上の住宅との違いです。

上乗せの有無で差が出るのは、残高が大きい場合

40㎡台で上乗せが使えないことの影響は、住宅の区分と借入額で変わります。同じ3200万円・35年・金利1%(月々90,332円)で、特例対象個人が2026年に入居した場合を比べました。

2026年入居・新築・3200万円・35年・金利1%・特例対象個人の場合
住宅の区分50㎡以上(上乗せあり)40㎡台(上乗せなし)差
ZEH水準省エネ住宅2,427,300円(限度額31.5万円)2,427,300円(限度額24.5万円)0円
省エネ基準適合住宅2,411,900円(限度額21万円)1,820,000円(限度額14万円)591,900円

ZEH水準省エネ住宅では、1年目の残高×0.7%が220,400円で、上乗せ前の限度額24.5万円にも届かないため、上乗せの有無で差は出ません。省エネ基準適合住宅では、上乗せ前の限度額14万円を残高×0.7%が上回るため、上乗せの有無がそのまま差になります。自分の借入額でどちらに当たるかを確かめることが大切です。

50㎡以上(上乗せあり)の年ごとの控除額
  1. 2026年210,000円
  2. 2027年210,000円
  3. 2028年209,500円
  4. 2029年204,000円
  5. 2030年198,400円
  6. 2031年192,800円
  7. 2032年187,100円
  8. 2033年181,400円
  9. 2034年175,600円
  10. 2035年169,700円
  11. 2036年163,800円
  12. 2037年157,800円
  13. 2038年151,800円

新築・省エネ基準適合住宅・3200万円・35年・金利1%・2026年4月入居、特例対象個人(限度額21万円)。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
50㎡以上(上乗せあり)の年ごとの控除額
年年末残高控除額
2026年31,489,185円210,000円
2027年30,716,552円210,000円
2028年29,936,158円209,500円
2029年29,147,922円204,000円
2030年28,351,768円198,400円
2031年27,547,617円192,800円
2032年26,735,388円187,100円
2033年25,915,000円181,400円
2034年25,086,368円175,600円
2035年24,249,413円169,700円
2036年23,404,049円163,800円
2037年22,550,193円157,800円
2038年21,687,760円151,800円
40㎡台(上乗せなし)の年ごとの控除額
  1. 2026年140,000円
  2. 2027年140,000円
  3. 2028年140,000円
  4. 2029年140,000円
  5. 2030年140,000円
  6. 2031年140,000円
  7. 2032年140,000円
  8. 2033年140,000円
  9. 2034年140,000円
  10. 2035年140,000円
  11. 2036年140,000円
  12. 2037年140,000円
  13. 2038年140,000円

新築・省エネ基準適合住宅・3200万円・35年・金利1%・2026年4月入居、上乗せなし(限度額14万円)。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
40㎡台(上乗せなし)の年ごとの控除額
年年末残高控除額
2026年31,489,185円140,000円
2027年30,716,552円140,000円
2028年29,936,158円140,000円
2029年29,147,922円140,000円
2030年28,351,768円140,000円
2031年27,547,617円140,000円
2032年26,735,388円140,000円
2033年25,915,000円140,000円
2034年25,086,368円140,000円
2035年24,249,413円140,000円
2036年23,404,049円140,000円
2037年22,550,193円140,000円
2038年21,687,760円140,000円

ほかの税制の床面積要件とも比べておく

住宅に関する税の特例は、それぞれ床面積の要件が異なります。同じ物件でも、住宅ローン控除は対象なのに別の特例は対象外ということが起こりえます。

主な住宅関連税制の床面積要件(国税庁・国土交通省の説明をもとに整理)
制度床面積の要件
住宅ローン控除50㎡以上(条件付きで40㎡以上)
住宅取得等資金の贈与税の非課税40㎡以上240㎡以下(40㎡以上50㎡未満は合計所得金額1,000万円以下)
長期優良住宅の固定資産税の減額40㎡以上240㎡以下
長期優良住宅の登録免許税の軽減50㎡以上

贈与税の非課税は住宅取得等資金の贈与の非課税、固定資産税は新築住宅の固定資産税の減額で詳しく説明しています。

自分の条件で控除額を試算する

住宅ローン控除シミュレーションは床面積の要件を判定しないため、40㎡台の住宅で特例対象個人に当たる場合は、「特例対象個人」を「当たらない」にして計算すると、上乗せなしの控除額になります。所得の上限も自動では判定しないので、合計所得金額が1,000万円を超える見込みの年は控除がない前提で考えてください。

所得要件の考え方は住宅ローン控除の所得要件、上乗せの仕組みは子育て世帯・若者夫婦世帯の住宅ローン控除で説明しています。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。