返済が苦しいとき

住宅ローンの延滞が心配なとき:引落前に確認することと早めの相談

住宅ローンの返済が遅れそう、または遅れてしまったときに、まず確認したい契約書の条項と口座残高、相談のタイミングを整理。毎月の返済額から、備えておきたい資金の目安も計算します。

この記事のポイント

  • 返済が遅れそうなら、引落日の前に返済中の金融機関へ連絡することが大切です。
  • 3,000万円・35年・年1.0%なら毎月84,686円で、3か月分は254,058円が目安です。
  • 同じ例で金利が1.5%になると毎月91,856円となり、7,170円増えます。
  • 不足が一時的か続くかを分け、続く場合は返済方法の変更などを金融機関に相談します。

住宅ローンの延滞が心配なら、引落日の前に金融機関へ連絡する

住宅ローンの返済が遅れそうだと分かった時点で、引落日の前に返済中の金融機関へ連絡することが大切です。【フラット35】の返済中の案内では、返済についての具体的な相談や申請手続は、返済中の金融機関に問い合わせるよう案内されています。

返済が遅れた場合にどのような費用や手続きが生じるかは、金銭消費貸借契約書の条項に定められています。この記事では、延滞の結果を一般論で説明するのではなく、自分の契約書で何を確認すればよいか、どこに相談できるかを整理します。

連絡するときは、遅れそうな金額と、いつまでなら入金できる見込みかを伝えられるようにしておくと、相談がスムーズです。見込みが立たない場合も、その状況をそのまま伝えることが大切です。

契約書と返済予定表で確認する項目

  • 毎月の引落日と、引落口座(返済用の口座)
  • 毎月の返済額と、ボーナス返済がある場合の月と金額
  • 返済が遅れた場合の取扱い(費用の有無や計算方法など、契約書の条項)
  • 返済方法の変更や相談の窓口と連絡先

【フラット35】の場合、毎月の返済や各種の手続きは取扱金融機関が窓口になります。モーゲージバンク等で収納代行会社を利用している場合は、返済口座を開設した金融機関が窓口ではないことにも注意するよう案内されています。取扱金融機関が分からない場合は、機構のインターネットサービス(住・My Note)で確認できるとされています。

引落口座を給与の振込口座と別にしている場合は、返済用の口座への資金の移し忘れがないかも確認します。給与日と引落日の間隔が短いと、振込の遅れがそのまま引落しに影響することがあります。

毎月の返済額と、備えておきたい資金の目安

引落日に返済用の口座の残高が足りないと、それだけで返済が遅れてしまいます。毎月の返済額を把握し、その数か月分を口座や手元に置いておくと、一時的な収入の遅れや急な出費があっても引落しに間に合いやすくなります。計算例として、借入額3,000万円・35年・年1.0%(仮の値)の場合を見ます。

借入額3,000万円・35年・年1.0%の場合
期間必要な金額
1か月分84,686円
3か月分254,058円
6か月分508,116円

何か月分を備えるかは家計によって違いますが、毎月の返済額を基準に考えると目標を立てやすくなります。管理費や固定資産税など、返済以外の住居費も同じ口座から払っている場合は、その分も含めて考えます。ボーナス返済を併用している場合は、ボーナス月の返済額も別に確認しておきます。ボーナスが予定より少なかった月に引落額が大きくなると、残高不足につながりやすいためです。

変動金利なら、返済額が変わるお知らせを見落とさない

変動金利型の住宅ローンでは、金利の見直しによって返済額が変わることがあります。前の例で金利が年1.5%になった場合、同じ条件での毎月の返済額は91,856円となり、7,170円増えます(本サイトの計算方法で、残り期間の最初から金利が変わったと仮定)。実際にいつ・どれだけ変わるかは、契約の見直しルールによります。

金融機関から届く金利や返済額の変更のお知らせを確認せずにいると、新しい返済額に口座残高が足りず、引落しができないことがあります。お知らせが届いたら、新しい返済額と適用開始の月を確認し、口座に入れておく金額を見直してください。金利が上がった場合の返済額は金利上昇シミュレーションで試算できます。

3,000万円・35年の毎月の返済額(年1.0%と1.5%)
  1. 年1.0%84,686円
  2. 年1.5%91,856円

残り期間の最初から金利が変わったと仮定した計算です。
元利均等・毎月返済で本サイトの計算式により算出(金利は計算例で、市場金利や予測ではありません)。

グラフの数値を表で見る
3,000万円・35年の毎月の返済額(年1.0%と1.5%)
条件毎月の返済額総返済額利息の合計
年1.0%84,686円35,567,733円5,567,733円
年1.5%91,856円38,578,882円8,578,882円

一時的な不足か、続く不足かを分けて考える

ボーナスの減少や一時的な出費で今月だけ足りないのか、収入の減少などで毎月足りない状態が続くのかによって、取るべき対応は違います。一時的な不足なら、まず金融機関に連絡して引落しの扱いを相談し、手元資金の範囲で解決できるかを考えます。

家計の不足が何か月も続くようなら、手元資金で穴埋めを続けるほど、あとで使える選択肢が少なくなります。毎月の不足が続く場合は、返済方法の変更(返済期間の延長など)、借り換え、返済額軽減型の繰上返済、家計の見直しといった方法を検討することになります。それぞれの方法の効果と注意点は住宅ローンの返済が苦しいときで、残高2,500万円の例を使って計算しています。

相談できる窓口:金融機関と全国銀行協会相談室

全国銀行協会は、経済的な事情などで住宅ローンやカードローンの返済が困難になっている人向けに、無料のカウンセリングサービスを全国銀行協会相談室で実施しています。電話または面談で専門のカウンセラーや相談室職員が相談に応じ、希望や必要に応じて、銀行の窓口や法テラス(日本司法支援センター)などの機関を紹介するとされています。

住宅ローンの返済の悩みは身近な人に相談しにくいものですが、早い段階で相談するほど、選べる方法は多くなります。借入先に話しにくい場合でも、こうした窓口で状況を整理してから金融機関と話すことができます。

住宅ローン以外にカードローンなどの返済も重なっている場合は、すべての借入れの残高と毎月の返済額を一覧にしてから相談すると、全体を見た助言を受けやすくなります。

返済を続けるのが難しいときの手続き案内

【フラット35】の返済中の案内には、返済方法の変更手続のほか、返済の継続が困難となり、事情によりやむなく返済継続を断念せざるを得ない場合の手続きや、震災等で被災した人向けの返済方法の変更も掲載されています。どの手続きが使えるかは個別の事情によって異なるため、案内を読んだうえで返済中の金融機関に相談します。

民間の住宅ローンで返済条件の変更などの相談ができるかどうかは、借入先の金融機関に確認します。どのような変更ができるか、その場合に総返済額や今後の返済がどう変わるかを、書面で確認しながら進めてください。

無理のない返済額を確かめる

家計から毎月いくらなら返済に回せるかを考え直すには、返済予算からの逆算に、返済予算・残りの返済期間・金利を入れてください。その予算で返せる元金の目安と、今の残高との差が分かります。家計の数字の整理の仕方は住宅ローン返済の予算を整理するでも解説しています。

計算結果は、審査や返済条件の変更が認められるかどうかを判定するものではありません。金融機関と話すときの材料として、今の返済額と、家計で無理なく払える金額の差を数字で示すために使ってください。

参照した情報

本記事は一般的な仕組みと計算の読み方を説明します。契約の条件は金融機関の書類で確認してください。